宮平和実

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「ごめんね」

 私と友達はささいな事で喧嘩してしまった。いつもなら、すぐに仲直りするが、なかなか謝る事が出来ず、長引いてしまっている。
 友達が、今日は風邪で大学を休んだ。授業のプリントを届ける事とごめんねと伝えるため、友達の家へ行く事にした。
 ピンポーンとインターホンが鳴り、ドアが開いた。友達が出てきた。
「ゴホッゴホッ。今親が、買い物に出かけていて私、1人なんだ。今日は、何の用事かな?」
「今日、君、大学を休んだから授業のプリントを届けにきたんだ」
「そう。中に入って」
「うん。お邪魔します」
 2階の友達の部屋に入り、机をはさんで座る。
 「はい。これ。授業のプリント」
「ありがとう。ゴホッ。風邪をうつしたら悪いから早く帰って」
「いや。私、君に謝りたいから家に来たんだ」
深呼吸をし、君の顔を真っ直ぐに見て言った。
「この間はごめんね。君の気持ちを考えないまま、自分の気持ちを押し付けてしまった」
すると、友達は目をそらして言った。
「あんまり、真っ直ぐ見ないでほしい。なんか照れる。ゴホッ。いや、私の方こそ、あんな言い方をして君を傷つけた。ごめんね。仲直りしたいな」
「うん!」
「あっ、そうだ。お見舞いにぶどうのゼリーを買ってきたよ」
私はリュックからゼリーを取り出した。
「ありがとう」
「早く風邪が治るといいね」
友達は頷いた。
 「じゃあまたね!」
「じゃあまた!」
 私は友達の家を後にした。帰り道に「ごめんね」と謝る勇気も必要なんだなと思った。
 後日、友達は元気になった。今は、一緒に授業を受けて、課題のレポートを書いたり、弁当を食べたり、大変だけど楽しい日々を過ごしている。私はこの友達との関係がこの先も続くといいなと思っている。
 

5/29/2024, 11:46:23 AM