「逃れられない」
最近、昔の記憶を思い出す事が多い。その記憶は、自分が嫌だなと感じた、思い出したくない記憶を仕事をしていて、ふとした時に思い出し、集中力が切れる。
「席を外します。飲み物、買ってきます」
私は席を立った。
「はーい。分かった」
隣の席の同僚が返事をした。
仕事場を出て、自動販売機で何を飲もうか?と選んでいると、トントンと優しく肩を叩かれた。振り返ると、幼なじみの君がいた。
「よう!どうした?なんか元気ない?」
「うん。ちょっとね、仕事中に、思い出したくない記憶を思い出して、集中力が切れたから気分転換をにしきたんだ」
「そうか。それは辛いし、苦しいよなぁ」
「うん」
「俺だったら、過去は過去だ。って割り切ろうとするけど、なかなか難しいよな」
「うん。君でもそう思う事、あるんだね。私、過去から逃れられないって思うんだ。」
「あるよ。あっ、嫌だなって思った経験があるから、気をつけようとするし、その経験があったから今がある!って思えば少しは楽になるか?」
思いついた!という表情をして君は言った。
「そうだね。少し楽になるような気がするよ」
「良かった」
「でもよく私が悩んでいる事があるって分かったね?」
「そりゃ、何年も一緒にいれば分かるだろう」
「そっか。そうだね」
私は笑っていた。
「やっと笑ったなぁ」
君は嬉しそうな顔をした。
「話を聞いてくれてありがとう」
「うん」
「あっ、そうだ、飲み物買いにきたのに、まだ買ってないや」
「私も」
自動販売機で、私はお茶を、君はコーヒーを買った。
「じゃあな!仕事、無理するなよ」
「うん!」
私は、過去からは逃れられないと思った。それでも前へ前へと一歩ずつ、進んでいく。いつか、笑って日々を過ごせるように。
「また明日」
いつもの帰り道。
「じゃあ、また明日!」
「うん!また明日!」
僕たちは笑顔で別れた。
それが君との最期に交わした言葉だった。まだ君と一緒にしたい事や話したい事がたくさんあったのに、僕は後悔した。君がいない世界なら、また明日なんてこなくていいと思いながら眠りについた。
「透明」
今日は、二人で山登りをしたり、川に行ったりしてリフレッシュした。
川に入って君は、「冷たいー!」と叫んだ。
「そうだね。冷たい!」
彼女が、「ねぇ!ここの川の水が透明で綺麗だよ」
と言った。
僕は、彼女の隣に行き、水を手ですくってみた。
「ほんとだ。透明だ」
「私、この水みたいに透明になりたいなぁ」
と小さな声で独り言をつぶやいた。
「そうなの?」
「あれ?私、声が出てた?」
僕は頷いた。
「その理由は、また機会があったら話すよ」
君は笑って言った。
君が独り言を言っていた時、今にも消えて、透明になってしまいそうだ。僕が君を支える事が出来たらいい。と僕は思った。
「理想のあなた」
進路の事で親と喧嘩をして落ち込んでいる私に、彼女は言った。
「あなたは、あなたが思う、理想のあなたを目指せばいいんだよ」
「そうかな」
「うん!そうだよ!」
「アドバイスありがとう!」
「うん!」
彼女の言葉でポジティブに考える事が少しずつ出来るようになるかもしれない。理想の自分を目指したい。と私は思った。
「突然の別れ」
涙がポタポタと落ちた。
もう君には会えない事がすごく寂しい。
突然の別れは受け入れられない。
辛いよ。
君ともっと話せば良かった。
後悔だけが残っていて消えない。
君の笑顔を思い出すよ。
君の事を忘れないよ。