あれもこれもと執着している自分とまた直面する。
素敵、と心躍らせて手に入れたもの達。
心身ともに限界を超えながら頑張り続けて入った学校。
何度も異常妊娠を繰り返し
出産にまで至れない中で
産まれてきてくれた子供たち。
胸をときめかせ、切望したもの達は
私を幸せにしてくれた。
なのに私は
ひとつも大切にできていない。
それどころか当たり前だと言わんばかりに
あぐらを掻く。
必ず来る終わり。
それが私と相手にとっての世界の終わりだ。
そしてまた
目の前のもの達にとっても同じこと。
今現在がまさに、君との世界の終わりで
常に私に張り付いているもの。
だから今
この世界の終わりにしみじみしたい。
私と携わってくれてありがとう。
って…
まずは目の前の埃被ったノートに思う。
埃を拭って
ありがとうを伝えるところから
始めよう。
変なの。
秘密って誰にも言えないから
秘密って言うんじゃないの?
重複してる。
そもそも誰かに言えるんだったら
秘密じゃないよね。
ってそう連ねながら
自分で自分の秘密を探る。
そんなもん思いつかないけれど
無いわけでも無いような氣がする。
聞かれれば答えるよ。
でも氣分で話したくない時もある。
とてつもない汚点であっても
時が経てば笑い話になってたりするもの。
その時にはもう
逆に喋りまくってしまいたくなる。
このあとの時間は
そういう美味しいネタにしてしまえる秘密とたくさん出会っていきたい。
誰にも言えない秘密が
『みんなに笑ってもらえた秘密』
になること。
大したことない私の生き様を
そう使ってもらいたいと願う。
「うち 狭いですよ」
突撃取材でインタビューされた男性が回答する。
「来ても良いけど
うち 狭いですよ」
電話先で奥さんも同じことを云う。
行ってみると。
そこは宝箱だった✨
「夢だったんです。ログハウスを建てるのが。
これだけのサイズしか作れなかったんですけどね」
リビングダイニングだけのそこからの階段。
1LDKのようなお家。
小さいけれど、老夫婦の夢の詰まった素敵な空間。
本当に欲しいものだけを詰め込んだ
部屋だけのお家がそこに建っていた。
あれもこれも要らないんだ。
私の中も
あの小さなログハウスにしたい。
勿体無いから
絶対にいつか使うから
置いておきたいから
それで埋め尽くされた私と離別したい。
そしたら
私も宝箱になれるかな。
この先を
キラキラさせる
第一歩
五七五できた。
一日一回唱えよう。
難しく考えないで。
目に付いた一つと向き合ったらいいよ。
楽にそれを繰り返そう。
10代最後の歳に。
好きでたまらなかった人から
別れを切り出された。
飲めなかった。
嘘だ嘘だ
明日になったらあの人が別れたことを後悔して
私の元に戻ってきますように
毎日そう願っていた。
私には彼しかいない。
永遠にあの人を忘れることができないだろうって毎日苦しんだでいたのに。
今はそれを思い出して微笑む。
若かりし頃の良い思い出だ。
それを同じように失恋した我が子にも話し。
同じように我が子もそれを超える。
大丈夫。
時間という妙薬が
無理せず暮らしながら塗り込まれていくものだから。
氣が付けば
死ぬほど苦しかったその失恋は、
半世紀生きた今の私の
一番の財産になっていた。
人間なんてそんなもの。
人生だってそんなもの。
時を使ってちゃんと生きていけるから
ありのままで暮らしたらいいよ。
無理せずね。
人生。
どんなに楽しみにしていることでも
終わりを迎える。
今、残念な氣持ちになってもいずれ平坦になる。
どんな苦しさも、いずれ終わる。
新たな試練への道と共に、
穏やかさはやってくるもの。
健やかなる時も病める時も…というのは
私の中に問うものだなと思う。
そして生まれた時からずっと
そこから逃れられないで
今を生きる。
氣が付けば、
この世に誕生させられていたという実感しかないままに
私はこの終わりなき旅を歩み続ける。
この身体という入れ物をつかせていただいて。
与えていただいた借り物の容器だ。
大事に使わなくてはならない。
正しく自然に根付いたメンテナンスを行いながら、真っ直ぐ進む。
大きな失敗って落胆しても氣にすんな。
大丈夫。失敗という表現が間違っているだけだから。
それは旅のいっときの出来事ってだけで
今後の私に必要な栄養だから。
この旅を大いに楽しもう。
終わりなき旅の思い出が
笑顔で溢れたものになるように。