madoimeguru

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3/1/2025, 1:15:51 PM

芽吹きのとき

The time of budding

El momento del brote

brote
(botany) sprout, bud
(figurative) outbreak (of a disease), flare-up

outbreak 発病、発生、流行
flare-up 激発、突発、再燃、再発

Para el Señor, un día es como mil años y mil años son como un día

主の御前には一日は千年のごとく、千年は一日のごとし。
ペテロ第二の手紙 3:8

2/22/2025, 7:55:31 AM

「夜空を駆ける馬を見たんだ」

僕は君に引っ張られるがままに外に出た。空は曇り、星はない。頭上には丸い月だけが見える。
「こっちだよ」
君の指さす先には何も見えない。
「少し、目を閉じてみて」
言われるがまま目を閉じる。しばしの静寂。
周りが暖かく感じる……ここにだけ春が来たようだ。全身が浮き立つ感覚。いや、目を開けると文字通り、僕は宙に浮かんでいた。
上には光を放つ丸い金属質。その中央の穴に僕は今、吸い込まれている。

「ああ、あの馬はアブダクションされてたんだね!」
君の無邪気な笑い声を最後に僕の意識は途絶えた。

2/20/2025, 11:48:37 AM

ひそひそ……
ひそひそ……
しそしそ……
うめうめ……
つめつめ……
かねがね……
ごあいこ……
おあいこ……
さまざま……
サマンサ・タバサ……
マサチューセッツ州……
行ってみたいね……
私はバッグが欲しい……
私には可愛らしすぎるわ……
空から降って来ないかな……
魚とかね……

2/20/2025, 8:43:02 AM

「あなたは誰?」
「誰でもない」
「あなたはどこにいる?」
「どこにも」
「いつからいるの?」
「いつでも。今までもこれからも」
「どうやって?」
「ここに在ることによって」
「あなたは何?」
「あなたは何?」
「あなたは?」
「あなたは?」
「…………」
「あなたは誰?」

2/19/2025, 7:55:05 AM

月に一度便りを出すと約束した。

どれほど登ってきただろうか、依然として塔の頂上は見えない。壁の書架から本を一冊手に取る。目の覚めるような真紅の装丁、この世のものではないほどに白い頁。浮き出た文字を指でなぞる。

『富のない都市、兵士のいない要塞、花のない草原、葉のない木──』

頁のない本を想像する。空のコンテクスト、読むことのできない行間。印刷されることのなかった──あるいは書かれることのなかった原稿。
塔の上層へ進むにつれ、壁の本の内容は詳らかになっていくようだった。密とした語法、冗長な語彙。かつて下層にあった散文の真空はここには見つけられない。
"全ての"情報を伝えるには言語の進化が必要だった。筆者の心音、潜在意識までもが"私のいるこの現在"では伝えられる。
胸元から紙と万年筆を取り出す。これは塔の一階で待つ男から託されたものだ。インクはいつまで持つだろうか? それまでに最果てにたどり着けるだろうか?

『私は今、P621階層目まで来た。まだ先は見えない。食糧は尽きた。でも、どうやら平気なんだ。ここでは読むことと食事をすることは同じらしい。君にこの手紙が届く頃には、私は身体すら必要としなくなっているだろう』

紙片を翅を広げた蝶の形に千切る。歪な対称の魂、それが相応しい。
吹き抜けから下層部へ便りを落とした。深い霧に呑まれる、そのまま消えてしまえばいい。

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