ゆーがめ 普通イカの高校生

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11/23/2024, 6:40:55 PM

『落ちていく』

青い空
白い雲
手を伸ばす先、
重力に逆らう髪の先。
強く光る太陽。

あの柵の上から飛び出して、
背中を重力に沿わせ、
身を任せ。

落ちていく。
地面の上へ。
世界の果てまで。
この暗闇の、もっと深くまで。

落ちていく。
衝撃が走る。
痛みが伴う。
暗闇へ。
意識まで。

落ちていく。
私は、
どこまでも。

11/21/2024, 6:05:16 PM

『どうすればいいの?』

ただ淡々と送る毎日。
まるで心配事など何もないように振る舞い、
楽しければ広角を上げ、
何かあれば頭を下げた。
ただそんな毎日。

それでも、
少しずつ、
壊れていく。

人間というものは愚かで、
寛容な人間がどれほど少ないことか。

自分が嫌であれば、伝えなければ分からない。
また然り、伝えられなければ、分からない。
故に、はっきりと、言葉を発する。

気が付けば、
その人は私の近くにはもういなくなった。
正解は、なんだったのだろう。
テストみたく、解答が明確にあればいいのに。
どうすればよかったんだろう。
私は、
どうすればいいの?

11/19/2024, 3:29:41 PM

『キャンドル』

薄暗く静まり返り、
ひんやりとした室内。
月は天頂に近く、
一面の粒子状の星。

窓辺の机には月光が差し込み、
細く、物静かな雰囲気を醸し出す。

取手が付いた金色の燭台。
3.9インチの、上部が溶けた蝋燭。
灯火は、辺りに少しだけ希望を与える。

木製の机と椅子。
腰を掛け、左手元に燭台を置く。
白い羽ペンを右手に持ち、インクに浸す。
そして くすんだ色の羊皮紙に、執筆する。


「キャンドル」

薄暗く静まり返り、
ひんやりとした室内。
月は天頂に近く、
一面の粒子状の星。 …………
──────────────────

11/18/2024, 3:55:39 AM

『冬になったら』

ずっと、覚えてる。
あの無垢な表情を。

ずっと、覚えてる。
あの温もりを。

息は白く
指先は悴む
繋いだ手は冷たく
積もった雪に足をとられる

毎年、冬になったら、思い出す。

分厚い手袋を はめて
肩甲骨まで伸びた髪をなびかせ
宝石のような瞳の上の睫毛は 粉雪で白く
寒さ故に 柔らかなその頬を赤く染め
やさしい笑顔で駆け寄る貴女

そんな貴女はもういない。
今はまるで冬のような、貴女。
いつになったら、春が訪れるのかしら

10/27/2024, 7:27:07 PM

『紅茶の香り』

鼻先に感じる、心地よい香り。
揺れるカーテンの隙間から入る暖かな日差し。
ゆったりと腰を掛け、右手にはティーカップを、
左手には分厚い本を。
昼下がり。

庭のマリーゴールドは鮮やかに色づき、
マスカットのような風味のダージリン。
スッと鼻に抜ける爽やかな口当たり。
紅茶の香りとともに、左手は忙しく頁を送る。

ふと、隙間から窓の外を見る。
もうこんなに時間が経っていたとは。
おやつの時間ですよと部屋の戸を叩く音がした。

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