青い青い
【白鳥(しらとり)は 哀しからずや 空の青
海のあおにも 染まずただよう】
教科書にも載っている(た?)若山牧水の短歌です。
【白い鳥は哀しくないの?海の青にも空の青にも染まらず、ただ漂っている】という意味ですが、私は「青」を意識する時、いつもこの歌が浮かびます。
海に1羽のカモメが居て、空は青く海もあおい。同じ青ではなく、微妙に違う青(あお)ですが、とにかく青い青い。そのカモメは何を思っているのでしょうか?
反対から見ると、それを見つめている牧水も憂いを抱えていて、カモメに感情移入したとき、なんだか哀しい様子に見えるけど、そうじゃないのかな?と思ったのでしょうか?
海で沖を見つめるのが好きな私は、空の青も海のあおも好きですが、白鳥が居る空と海は、格別に青の美しさが際立つと思います。
No.187
sweet memories
高校2年生が、もう1ヶ月もなく、終わろうとしていた日、帰ろうと靴箱を開けると新聞紙に包んだ小さな薄いものが入っていた。周りに誰も居ないのを確かめて開けてみると、板チョコが1枚。
「え?今日ってバレンタインデー?あ、でも誰?うちは女子校だし」と思いながら、その頃の彼氏との待ち合わせ場所に行った。
まだ私の時代は、バレンタインデーなどそれほど普及していなかったから、包みを見たときもしばらく考えたほどだ。
彼は先に来て待っていた。私は挨拶もそこそこに席に着き、注文したあと「これさぁ」と、例の包みを取り出した。
「学校の靴箱に入ってたの。開けてみたらチョコレートだった」
「ふむ」
私はチョコレートの包みを開けて、ひとかけら口に入れてから「食べる?」と聞いた。あの時の彼の顔と口調は、今でも覚えているほど複雑な雰囲気だった。
「いや、いい」
なんとなく冷たく、最小限の短い言葉。無神経な私は何も気づかず、チョコレートをある程度食べて鞄に仕舞った。
今なら「これさぁ」とチョコレートを取り出した時の彼の気持ちはよく分かる。『おーっバレンタインチョコ来たーっ!』それなのに、女子校の私の靴箱に入っていたと聞かされ、一気に期待は崩れ落ちただろう。この日をデートに設定したのだって、そのためだと思っていたかも知れない。
さらに追い打ちをかける私。そんなものを「食べる?」って・・・。
この出来事は、甘いモノの思い出として、そして苦い思い出として、今でも鮮やかに思い出すが、私の女子としての最低の出来事だと思う。
ホント、最低〜!!!
No.186
風と
想像以上に、山は風が激しかった。僕は怖くなってお父さんにしがみついた。「ケンジ、寒いか?」「違うの、風が強いから怖い」
お父さんは何故か嬉しそうに「山は遠目は綺麗だけど登ると厳しい。今回はそれだけ分かればいい。小学生のケンジには辛かっただろう。もう下山しよう」
ヒョウコウ1800メートルとお父さんが言ってたけど、半分くらい登ったかな。
でも、大きさとかじゃなくて、足元は石がゴロゴロで不安定なのに、強い風が吹いているのが、すごく怖かった。帰ろうと言ってくれてホッとした。
帰りは追い風で、まるで風と一緒に山を降りてるみたいだった。
No.185
軌跡
ブルーインパルスは、急降下し、花のように開いて美しい軌跡を描くはずだった。しかし、一機がそのまま地面に叩きつけられて、パイロットは殉職、客席からも12人のけが人が出た。
もちろん、航空ショー等での展示飛行を行うまで、と言うか日常的に、パイロットたちは猛練習を重ねている。それでも何度か事故があり、休止期間の規定も出来た。訓練の帰りに、山に3機も接触して墜落したこともある。
それだけ、展示飛行は難易度が高いのだ。たゆまぬ努力と、積み重ねた訓練の上に成り立っている。
見る機会があったら、しっかりとその軌跡を脳裏に刻み込みたい。
No.184
好きになれない、嫌いになれない
私は、表面上であれば誰とでも付き合える人間なので、ふわりと付き合う分には、人の好き嫌いはあまり生じない。
でも、第一印象でどうしても好きになれない人は一種類。たまに現れる。薄い唇の口をゆがめて話す人は、どんなに良いことを言っても信用しない。酷薄なことを考える人。
それと、どうしても嫌いになれないのは、鍛えていないぽっちゃり系の、笑顔が良い人。
どちらも男女問わない。
まぁ、大人の強みか、誰とでも笑顔で話しますけどね。
No.183