YUYA

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9/25/2024, 12:53:37 PM

**「双極の正義」**



深い闇が街を包み込む夜、その街角には一つの影が立っていた。黒いマントをまとい、目元を隠すその男は、悪党として知られていた「カイ」。カイの姿を見た者は皆、彼を恐れる。それは彼が冷酷無比な犯罪者としての評判を持っていたからだ。

だが、カイには一つの信念があった。「悪は正義の道を切り開くための手段である」と。

今日もカイは、その信念のもと、腐敗した政治家を標的にしていた。彼の目には、その政治家の裏切りや欲深さが映っていた。国民を苦しめ、自らの私利私欲のために動く者が「正義」を語ることに、カイは強い憤りを感じていた。

「お前たちが正義を語る資格などない」とカイは心の中で呟いた。

夜明け前、カイはその政治家の邸宅に忍び込み、密かに計画を遂行した。彼にとっては、これは「悪」ではなく、腐った社会を浄化するための「正義」だった。

一方、カイの行動を追う一人の警官がいた。名をリオといい、彼は幼い頃、カイによって父を失った過去を持っていた。父は正義感溢れる警察官であり、社会を守るために命を懸けていたが、カイによって命を奪われた。

「カイは悪だ、必ずこの手で裁きを下す」とリオは誓っていた。

リオにとっての正義は、カイのような者をこの世から排除することであり、カイに対する復讐心が彼を突き動かしていた。

カイはリオの存在に気づいていたが、彼を殺すことはなかった。なぜなら、かつてリオの父もまた、腐敗した権力者に反旗を翻していたことをカイは知っていたからだ。しかし、リオはその真実を知らない。

二人の正義はぶつかり合い、夜の街で次第に交差していく。カイにとって「正義」とは腐敗を根絶する手段であり、リオにとって「正義」とは父を奪った仇を討つことだ。

だが、真実を知る時が来た時、二人の心にはどんな変化が生まれるのだろうか。正義とは何か、そして悪とは何か。その境界線が曖昧になる中、カイとリオはやがて同じ敵に立ち向かうことになるのだった。

9/22/2024, 3:21:17 AM

**「秋恋。この声が届くまで」**



秋の風が、木々の葉を静かに揺らしながら、冷ややかな空気を運んでいた。夕日が西の空にゆっくりと沈み始め、朱色の光が街並みを染める。そんな夕暮れ時、千秋は学校の裏庭にある一本の大きな楓の木の下にいた。

楓の葉が紅く染まり始めるこの季節、千秋はいつもこの場所に足を運んでいた。それは、彼女が秘めた想いを胸に、いつかその声が届くことを夢見ているからだった。

数年前の夏、千秋は初めて彼と出会った。彼の名は湊。明るく、誰にでも優しい湊の姿に、千秋は次第に心を惹かれていった。しかし、千秋は内気で控えめな性格だったため、その想いを伝える勇気が持てなかった。いつも遠くから彼を見つめるだけの日々が続いていた。

「このままじゃ、何も変わらない…」
千秋は何度もそう自分に言い聞かせたが、言葉が喉元まで出ては消え、彼に向けた声は届かないままだった。

そして季節が秋に変わり、湊が転校することを知ったのは、まさに紅葉が深まる頃だった。千秋は、その知らせを聞いた時、何かが心の中で崩れ落ちる音を感じた。このままでは、彼がいなくなってしまう前に自分の想いを伝えることすらできない——そう思うと、彼女の心に焦りが募った。

ある日、千秋は思い切って、湊を学校の裏庭に呼び出すことを決意した。楓の木の下で、彼女は震える手で小さな手紙を握りしめていた。それは、彼に渡すための自分の気持ちを込めた言葉が詰まったものだった。

「湊くん、来てくれるかな…」
千秋は、沈みゆく夕日を見上げ、深い息を吐いた。そして、湊がいつかこの場所に来ることを願って待った。

日が完全に落ちる頃、足音が背後から聞こえてきた。振り返ると、そこには湊が立っていた。秋の冷たい風が二人の間を吹き抜ける中、千秋は心の中で言葉を繰り返した。

「湊くん、私…」

声が震えた。しかし、今まで心に抱いてきた想いが、彼女の口から零れ落ちた。

「私、湊くんが好きです…ずっと、ずっと前から…」

湊は静かにその言葉を聞き、少し驚いた顔をしながらも、優しく微笑んだ。

「千秋、ありがとう。実は…僕も、君に伝えたいことがあったんだ。」

彼はポケットから一枚の葉書を取り出し、それを彼女に渡した。そこには、転校先の住所が書かれていた。

「僕も君のことが好きだった。でも、転校することが分かって、どうしていいか分からなかったんだ。だから…もし僕がいなくなっても、この葉書に手紙を送ってくれないかな?君の声を、ずっと待ってる。」

千秋の胸に温かいものが広がった。紅葉が風に舞い、二人の間を色鮮やかに彩る。今、ようやく二人の想いが交差した瞬間だった。

秋の風は冷たくても、二人の心は温かく響き合っていた。この恋は、やがて距離を越え、手紙という声で繋がっていく。千秋はその手紙を握りしめ、心の中で誓った。

「この声が、いつまでも届くように。」

9/19/2024, 10:37:11 AM

**崩壊の中で、時に叫ぶ**

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愛した世界が、音を立てて崩れゆく。
瓦礫のように、思い出が砕け散り、
握りしめた手の中で、すべてが砂のように零れていく。
何が間違ったのか、
何を失ったのか、
答えを求めて振り返るも、
ただ、無情に流れ続ける時間の川。

「時よ、止まれ!」
心の奥で叫んでいる。
愛したすべてを、この腕の中に抱きしめたまま、
もう一度あの瞬間に戻れるなら。
けれど、時は耳を貸さず、
冷たく流れ去るだけ。

ひび割れた空の下、
愛が崩れていく様を見つめながら、
僕はただ、もがき続ける。
時を止める術もなく、
立ち尽くすこの場所で、
愛の残響が胸を締め付ける。

手を伸ばすたびに、
さらに遠ざかる愛の影。
記憶が淡く消え去る中で、
僕はただ、時に縋りつき、
「まだ終わりじゃない」と、
無力な祈りを繰り返す。

愛する世界が崩壊するその中で、
すべてが消え去る前に、
ほんの一瞬だけでいい、
時よ、止まれ。
心が壊れる前に、
時よ、止まれと。

9/18/2024, 10:50:38 AM

**夜景に咲く心の灯**


愛してしまえば
愛されてしまえば
心に優しい光が差し込む
静かに根を張るように

忘れようとしても
夜景の中で瞬く
遠くの灯火が優しく揺れて
思い出は静かに語りかける

星が見えない夜でも
街の灯が心を包む
もう届かぬ温もりでも
そっと心を照らし続ける

夜の穏やかな風に乗って
胸の奥で聞こえる声
愛はやさしさの中に生きて
心に永遠の光を灯す

9/16/2024, 8:58:29 AM

**親愛なる私へ、**



まずは、ここまで頑張ってきた自分に心からの感謝を送りたい。どんなに辛い時も、迷った時も、しっかりと前を向き続けた君がいるから、今の自分がここにいる。君が選んできたすべての選択は、決して無駄ではなかった。失敗も成功もすべてが自分を形作り、成長させる大切な一部だと信じている。

君がこれまで感じてきた不安や葛藤は、その優しさや真面目さの現れだと思う。周りに気を配り、時には自分を犠牲にしてでも他人を思いやる君の姿は、とても強く、そして美しい。だけど、忘れないでほしい。自分自身のことをもっと大切にしてもいいんだと。時には立ち止まって、自分の気持ちに耳を傾けて、休むことも必要なんだ。

これから先、また新しい挑戦が待っているかもしれない。それはもしかすると不安や心配を伴うものかもしれないけれど、今の君にはそれを乗り越えるだけの力がある。今までの経験や学びが、きっと君を支えてくれるだろう。

そして、君が目指している夢や目標は、君自身が描いてきた素晴らしい未来への道しるべ。急ぐ必要はない。一歩一歩、自分のペースで進んでいけばいい。進むべき方向は君が決め、君の手で未来をつかみ取れるから。

最後に、君はそのままで十分に素晴らしい。欠けているものなんて一つもない。ただ、時には自分の価値を自分で信じることを忘れがちだから、そんな時はこの手紙を読み返して、思い出してほしい。

これからも、君の未来が輝かしいものであることを心から信じているよ。

**愛を込めて、未来の自分より。**

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