**崩壊の中で、時に叫ぶ**
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愛した世界が、音を立てて崩れゆく。
瓦礫のように、思い出が砕け散り、
握りしめた手の中で、すべてが砂のように零れていく。
何が間違ったのか、
何を失ったのか、
答えを求めて振り返るも、
ただ、無情に流れ続ける時間の川。
「時よ、止まれ!」
心の奥で叫んでいる。
愛したすべてを、この腕の中に抱きしめたまま、
もう一度あの瞬間に戻れるなら。
けれど、時は耳を貸さず、
冷たく流れ去るだけ。
ひび割れた空の下、
愛が崩れていく様を見つめながら、
僕はただ、もがき続ける。
時を止める術もなく、
立ち尽くすこの場所で、
愛の残響が胸を締め付ける。
手を伸ばすたびに、
さらに遠ざかる愛の影。
記憶が淡く消え去る中で、
僕はただ、時に縋りつき、
「まだ終わりじゃない」と、
無力な祈りを繰り返す。
愛する世界が崩壊するその中で、
すべてが消え去る前に、
ほんの一瞬だけでいい、
時よ、止まれ。
心が壊れる前に、
時よ、止まれと。
9/19/2024, 10:37:11 AM