8/13/2023, 12:35:16 AM
雲間からさすひかりが
ウィンドウチャイムを鳴らすみたいに
早朝の木にあつまる小鳥のおしゃべりや
ソーダをそそいだコップの中の氷や
高くけり上げられたボールのたてる音
君の何気ないしぐさや表情が
私のなかで音を鳴らす
無軌道な音楽を奏でている
『君の奏でる音楽』
8/8/2023, 1:03:59 PM
甘すぎる水は蝶を殺すし
水が多ければ花の根も腐る
惜しみなく与えることが
必ずしも愛ではない
あなたを無力でいさせようとする"善意"
あなたの意思を尊重しない"厚意"
苦しいのは
そそがれたのが毒水だから
『蝶よ花よ』
7/31/2023, 9:33:30 PM
盆には少しはやいけれど夢をみたよ
私って不義理だし飽きっぽいし
けれどあなたのことはまだまだ
特別にしておきたいから
『だから、一人でいたい。』
7/30/2023, 11:29:14 AM
ときおり瞳の中に
悲しみをたくわえて
黒々とした湖を持つ人に会う
心ない人がいたずらに石をなげ入れ
水面が波立とうと
濁ることのない 深い湖
どうかそこにすまう
魚にはならないで
心のかよう生き物でいてほしい
けれど
砂漠に隠された井戸のような
それを美しいとも思った
無理に枯らさなくて
いいんじゃないかな
その水でしか
潤わない渇きがあるのなら
『澄んだ瞳』
7/29/2023, 12:53:34 PM
嵐の去った森の
昨日まではなかった池に
水鳥がおとずれ
沈んだ宝物をさがしている
昨日まで開いていた花を
雨風がひどく散らしても
緑ははいっそう萌えて
命はいたってにぎやかだ
ここに咲いていた花を
沈んでしまった花を
明日までは覚えていようと思った
あまりにも目まぐるしい変化に
時々おき去られそうな心を抱えて
『嵐が来ようとも』