【heart to heart】
I, I still believed in you.
that I could have a heart to heart with you.
In fact, we would have gotten along.
Even though I knew that one day we would part.
I had sworn to you that I would take care of you.
Yeah, but, you know, the goodbye came sooner than
I thought.
I really wanted to tell you, “Don't go yet,” but
I couldn't stand in the way of your path.
I thought you would be sorry to leave me.
No, I know.
I'm sure I'll see you again someday.
Goodbye, my love.
【永遠の花束】
花を眺めていた。この国一面に咲く花束を。
ああ、本物の花ではないけれど。
民はいわば花で、私はそれらに水を与えるのだ。
それが、王としての役目なのだから。
私が陽となり、時に雨を呼び寄せ、地を潤す。
そうすればきっと、いつまでもこの国は続くだろう。
暴君のように見えるかい。この私が。
独裁者だと言われたって構わないよ。
もし不満が溜まれば民がこの太陽を隠すだろうから。
民は馬鹿ではない。だから今私に着くのだから。
町娘から貰った花束を見た。そして誓う。
ずっとこの国の繁栄を、幸福を咲かせるのだ。
私が庇護する永遠の花束を。
【バイバイ】
大切な人だった。彼女がいるのが当たり前だった。
だからむしろ離れたがったのかも知れない。
優しくて暖かい陽のような存在だった。
いつしかそれが眩しくて、鬱陶しく感じていた。
気付かなかった。彼女が段々と陰っていくのを。
弱っていく心を、彼女は打ち明けなかった。
「またね、大好きなお友達」
彼女はいつも再会を約束してくれた。
「うん」
自分はそれに答えることができなかった。
ある日、彼女はぱったりと姿を消した。
彼女がいなくなった事に安堵さえ感じていた。
彼女を忘れ始めた頃、風の噂で聞いた。
彼女は自ら身を投げて、星になっていたのだと。
彼女との思い出をずっと反芻していた。
力なく笑って帰る後ろ姿は、六等星のようだった。
「バイバイ」
最後に聞いた彼女の言葉だった。
ああ、後悔してもしきれない。
太陽はずっと独りで泣いていたのに。
誰も、誰も彼女を抱きしめなかった。
【やさしい嘘】
彼女は花畑の大きな木の下で眠っていた。
「こんなところに独りなの?」
花に降り立つ蝶は彼女を嘲笑った。
彼女は微笑んでゆっくり口を開いた。
「ええ、もう疲れちゃった」
「どうして疲れたの?何をしたの?」
近くにいる小鳥が彼女を心配した。
「みんなを愛していたの。でも、もう怖いのよ」
彼女は涙を流しながら静かに答えた。
「何が怖いんだ?良いことじゃない」
彼女を抱きしめる木が諭した。
「私がこの心の…見返りを求めることを。」
彼女は独りで終わらせるつもりだった。
森は詠う。彼女を安心させるように。
「大丈夫。みんなあなたを愛していたよ。」
彼女は幸せそうに笑っていた。
「やさしい嘘ね。ありがとう。
…でもね、許せなかったの。最期まで。」
彼女はゆっくり目を開けて、幸せな幻覚全てを消した。
彼女を気に掛ける者などない色褪せた世界で、
今度こそ彼女は永い永い眠りに就いた。
【瞳をとじて】
あの頃の景色を思い出して、大切な人を懐かしむ。
瞳をとじて、目蓋の裏に過去の自分を描く。
ああ、今の私は、何が好きだったのかすら忘れていた。
何を見て、何を聞いていて、何かを感じたのか?
こうして止まらない時だけを追いかけて
「今」だけに留まって将来から逃げ続けた私の人生に、
得たものなど何一つないというのに。