『True love 』
愛がホンモノかニセモノかなんて
人に決めてもらうものではないのでは?
だとするならば
自分で決めるんだろうか
この愛はホンモノ
この愛はニセモノ
って?
意味がわからない
愛なんて大層なことを言ったって
言ってしまえば自分の感情でしかない
ニセモノならばそれはもう愛ではないでしょうに
だからホンモノとかニセモノとか
どうでも良くて
愛は、愛
『飛べ』
「飛べ」なんて人に言われたくない。
飛ぶタイミングは自分で決める。
外野は黙ってて。
『真昼の夢』
カフェでコーヒーを飲もうと持ち上げた瞬間、隣の人もコーヒーを持ち上げた。
気にせず一口飲み、テーブルにカップを置くとそれも同時。
あ、タイミング一緒になっちゃった。
誰も気にしないようなことに若干の気まずさを覚えながら、本を読むふりをしてちらりと隣の人を見る。
両肘をテーブルにつけながらスマホを見ている。大学生というにはもう少し大人っぽい、ラフな格好の男の人だった。
彼は、私が盗み見していることにもまるで気がつかない様子で、もう一度カップに手を伸ばそうとした。ように見えた。
ところがその瞬間、テーブルについていた右肘がカップにぶつかり、私の方にカップが落ちてきた。
え?うわヤダ、コーヒーかかる…!
と目をつぶって覚悟したのも束の間、気付くと彼のコーヒーは変わらずそのままテーブルにあった。
彼も両肘をついてスマホを見たまま動いていない。
あれ?気のせい?落ちたと思ったのに。
私、夢でも見てた?
軽く混乱していると、彼がさっき見たのとまったく同じようにカップを取ろうとした。また右肘がカップにぶつかる。
うわ、やっぱり落ちるんだ…!
ところが、さっきは絶対にカップがテーブルから落ちたはずだったのに、今回はガチャンと音はしたもののテーブルの上でカップが耐えている。
彼は一瞬驚いて固まっていたものの、倒さなかったコーヒーにはすぐに興味を失い、視線をスマホに戻している。
私はさらに混乱する。
びっくりした。なんだろう、デジャヴ?
それとも白昼夢?
考えたところで、今の出来事がなんだったのか、きっとこれからもわかることはないのだろう。
でももしかしたら、テーブルから落ちたコーヒーが私にかかったパラレルワールドのような未来が、本当はどこかにあるのかもしれない。
『隠された真実』
知られると都合が悪いから。
誰かを傷つけるから。
約束したから。
どんな理由かわからないけれど、真実を隠すというにはなにかしら事情があるのだろう。
知らないままでいた方が幸せ。
ということも、世の中けっこうあると思っている。
『風鈴の音』
幼い頃、祖母の家で。
縁側でスイカを食べ、いとこ達も一緒に庭に向かってスイカの種を飛ばす。
誰が一番遠くまで飛ばせるか。
窓には吊るした風鈴。
風に揺られるたび、ちりんちりん、と鳴っている。
絵に描いたような古きよき昔の夏の風景。
今となってはまるでおとぎ話のよう。
美しい夏の想い出。
そしてスイカの種飛ばしは、いつも明治生まれの祖母が一番強かった。
昔の人の肺活量はあなどれない。