『海へ』
中3の時に行った場所。
もう無理だと思ったらいつでも飛び込めて
人生を一瞬で棒に振れる場所。
きつかったら死のうって
1日だけ自分と向き合ってあげようって
受験期で追い詰められた僕は
携帯片手に朝から家出して
歩いて15キロ先の海へ向かった。
そんな過去も今は思い出で
大切な人にその場所と想いを共有して
今では生きてよかったって
過去の自分頑張ったなって思える
良い思い出の場所。
『さよならを言う前に』
酷いことをした。
迎え受ける言葉はさようならだと覚悟した。
だけど、あなたからの言葉は『信じるよ』だった。
その言葉が耳に届いた瞬間、
涙と後悔であふれていっぱいになった。
初めて生きる意味を痛いほどに感じた。
あなたを大切にすることができないなら
言葉通り僕に生きる価値はないだろう。
ギクシャクして喧嘩ばかりで
お互いがお互いを理解れていなかった1年半。
そしてこの先半世紀余り、
あなたのことを幸せにしようと心に決めた。
1年半越しの仲直りにまた涙がこぼれた。
『鏡』
目が綺麗。
初対面で一言目に言われるのはいつもその言葉。
鏡を見るたびに思っていた。
にんにくのように大きな鼻。
たらこのように分厚い唇。
そして、大きな目。
目が綺麗と言うのは、
他のパーツが見劣りするあまり
口先から出る相対的な形容詞だと
捻くれた考えをしていた時期があった。
だからよく高い襟の服を着て鼻まで隠していた。
ある日、君は私に聞いてきた。
「そうやってしているのが落ち着くの?」
「自分の鼻と口が好きじゃないからだよ、
目ばかり褒められて余計に気になってしまうんだ。」
私は素直に打ち明けた。
キョトンとして君は言った。
「へぇー、私は好きだけどなぁ」
それからも僕は高い襟で鼻まで隠した。
それをしながら君の言葉を思い出す。
今ではその癖をする意味が昔とは違っていた。
『自転車に乗って』
自転車に乗るようになって行動範囲が広がった。
自転車があればどこにでも行けて
学校終わりに大冒険をしていた。
校区外に出て
子供だけでゲームセンターに行って
違う学校の子達と喧嘩になって、、、
それまで真面目だった僕は、
悪いことをする楽しさを知った。
あの頃から、僕は変わった。
『私の名前』
私の名前を呼ぶ君の声を
忘れることなんてないと思ってた
どうしても思い出せない
いつかまた君に呼んで欲しい
私の名前