コハク

Open App
2/25/2025, 9:18:36 PM

t「さぁ冒険だ」

幼い頃はさぁ冒険だ!と小さなリュックにお菓子や当時の宝物をつめて外に繰り出したものだ。近くの公園に行って、そこらへんに落ちてる大きめの枝を持ってちょっと遠くまで歩いてみたりした。知らない景色が楽しくて幼い自分は目をキラキラと輝かせていたと思う。
そんな自分は大人になったが、幼い頃のような知らない場所への未知の体験への欲望はすっかりなくなってしまった。休日はゆっくり休みたいのだ。どこに行くつもりもなく休日の朝から冷蔵庫の中身を眺める。必要な物だけを取り出してスマホで検索をかける。
いただきます。出来上がった名前のあるよくわからない食べ物を口に運ぶ。
幼い頃の外に求めた冒険心は今は食にへと移っていた。うん、美味い。

2/24/2025, 9:39:20 PM

t「一輪の花」

君から渡された花束の最後の一輪の花が枯れようとしている。
震える声と共に渡された綺麗な花束を喜んで!と受け取った。
あの時からそんなに時間が経っていたんだと感慨深く思う。
渡された日から綺麗な花瓶に飾って、毎日眺めてはあの日の事を思い出して笑みがこぼれた。
その花も最後の一輪になってしまった。
スマホを取り出し色々調べ、どうしようか悩んだ結果、最後の花は栞にしようと思う。
それならお手軽に運べるし、肌身はなさず持ってられる。
家の外では飾った花を見ることが出来なかったがこれなら持ち歩いていつでも見ることが出来る。
きっと君も、これを見た時はあの時の事を思い出して少し照れてしもうかもしれない。

2/23/2025, 10:18:22 PM

t「魔法」

恋の魔法は恐ろしい。
君と出会って恋を自覚した瞬間から君の事で頭が一杯になってしまう。いつも頭の片隅に君がいて、君がどうしたら笑ってくれるか、どうしたら自分に興味を持ってくれるか、考えてしまう。
ゲームの通話でいつも通りを装ってはいるが、バレないかとドキドキもしている。君とするゲームはよく目なくしても楽しい。最近の楽しみは君とのゲームだから、この時間がなくなるのだけはどうしても避けたい。自分の気持ちが外に出ないように頭の隅の隅に居てもらう。もう居なくなって貰う事は諦めた。この幸せの一時のために自分に掛かった魔法に立ち向かいながら、今日も君の声色と共にゲームする。

2/20/2025, 9:21:28 PM

t「ひそかな想い」

知っているこの想いが君に届かない事を 。
君に好きな人が出来るまで、自分は君の親友という隣の立ち位置を守り続ける。
ひそかな想いを寄せながら叶わない現実に絶望しつつも、君の傍を離れられない。
君に好きな人が出来ればきっと離れる事が出来るはず。
だからそれまではどうか、君の隣に居させて欲しい。

2/19/2025, 9:28:11 PM

t「あなたは誰」

「君は誰......?」
「それはこちら一緒だけど...?」

とりあえずとお互いに自己紹介をする。友人に勧められて始めたゲームにドハマりして、そこで会った人と意気投合してオフ会をしようという流れになり、今に至る。
会う前に説明された服装と目の前の人の服装を見る。向こうも同じ事を思ったのかスマホ片手にこちらを凝視している。思う事はお互いに一緒か。
それにしてもよ、顔が良すぎんか?声を掛けられた時に思わず誰?とか失礼な事を口走ってしまった。冗談だと思ったのか向こうはノってくれたから良かったけど、普通に顔が良すぎてびっくりした。え、今日この人と出掛けるの?え?

「とりあえずお互いに合ってるみたいだし行こうか」
「そ、そうだね」

ほうけていると向こうから声を掛けられて何とか返事を返す。行く場所はもちのろんゲームセンター。遊ぶとわかる。やっぱりゲームで会った人だぁ。いやでもこんな顔の良い人だと思わなかった。ゲーセンに向かう途中も今も周りから視線をひしひしと感じる。

うぅ…これなら、あなたはどんな人だろう状態で留まっておけば良かった…。

Next