コハク

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4/6/2023, 9:20:30 PM

君の目を見つめると
寒空の下、今日も僕に挑戦する誰かを待つ。
昔の挑戦者はずっと自分自身だった。より技術を高めるため、より高みを目指すため自分に厳しく毎日を過ごしていた。あの頃の自分は自信しかなくて、常に前向きにひたむきに一日の時間だと思うくらい生き急いでいた。
引退した今、僕には何もなくただ何となく日々を過ごしている。昔と違う挑戦者はくる。でも君たちが見つめてる先はいつも過去の僕だった。
いつかだったか、僕を見つめてる真剣に楽しみながら勝負してくれる子が現れた。試合途中君の目を見つめると、過去の僕を見ているようで懐かしいような、どこか腐ってしまった自分が恥ずかしいようなそんな気がした。
君のような子が挑戦してくるといつも僕は何をしているんだろうなと思う。
そろそろ僕も動かないといけないのかもしれない。あの見つめた目が脳裏から離れないのはきっと、僕が動きたがっているとゆうことだろうから。

4/5/2023, 9:25:00 AM

それでいい
本当にそれでいいの?
不安そうに聞いてくる貴方に頷きながら返事をする。
それでいいよ。
少し不安な表情を浮かべたかと思うと、口を小さく開けてホッと安堵の表情に変わった。
貴方が選んだから心配だったのだろう。貴方の表情に釣られてこちらも少し気持ちがなごむ。
それでいい、なんて自分も周りに言える程対した事のない人間だなと思う。
それがいい、貴方が自分を思って選んでくれた、それだからいいんだ。なんて言葉が口から出てこないあたり自分もまだまだだ。

3/28/2023, 10:52:26 PM

見つめらると
未来を見据える挑戦者の君たちの目は、いつも過去の僕を見ている。
就任した時は名前が知れ渡ってるのもあり挑戦者がひっきりなしに訪れた。今はその時よりも落ち着いて前よりは穏やかな日々を過ごしてる。
僕に挑む人たちは未来のある人たちばかりだ。僕の未来は閉じてしまった。けど、それを理由に挑戦者たちに何かをぶつけるようなぞんざいな事はしない。
ただ未来ある君たちに見つめられると、ありもしない未来の事が頭を掠める。もし僕がそうなっていなければ、僕もきっと君たちと同じ目をしていたんだろう。
過去の栄光を手にした者にも今を挑む目の前の景色にも。

3/26/2023, 10:50:01 PM

ないものねだり
桜や雪景色のように綺麗で
薔薇や金色のように高貴で
海のように心広く
秋のように暖かい
時には梅雨のように冷たく
夏の砂浜のように熱く叱り
そんな人間になりたい、なんて思わない。
ないものねだりでも理想が高いでもない。
私は私が思う私で居たいだけ。

3/26/2023, 9:36:03 AM

好きじゃないのに
どうして好きじゃないのにこの仕事をしてるかって?
そんなの僕にはこれしかないからだよ。

そんな事を言って青い空を眺める。
あの時は誰よりも空が近くに感じた。
今も誰よりも空に近い場所には居る。
けど、あの時とは違う。
別に空が好きとかじゃない。前の仕事は好きだったけど。
今はもう出来ないから。あの時と同じ空を感じる事はもう出来ない。
今の僕の場所だってたまたま空に近い仕事場だっただけ。

好きじゃないのにどうしてその場にずっと居られるのか、当然の疑問だと思う。
別に好きじゃないからって、嫌いじゃないんだよ。

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