物憂げな空
雲が太陽に嫉妬して太陽を隠している。
そう考えると何だか雲が可愛く思えてこの曇り空も悪くないかなと思える。
「晴れでもない雨でもないこの天気は悪くない」
君がそんな事を言うからあんな考えが浮かんだのかもしれない。
好き、なんて言葉を硬派な君からはきっと中々聞けない。
悪くない。だからかそんな言葉でも、君の嫌と思わない物を好きになりたいと思ってしまう。
例えそれが物憂げな空でも、自分にとっては君から悪くないを貰った羨ましくて好きになりたい空だ。
Love you
ありったけの情熱を君に
I love you
太陽のような
私は昔、日の出る国に暮らしていた。
今は日の出がない国に暮らしている。
特に困ることは慣れてしまえばどちらの国に居ても同じような暮らしが出来る。もし不満を上げるとすればこれだろうか。
敷布団を持ち上げてベランダで干す。パンパンとほこりを落として、飛ばされないようにしっかり止めたら部屋に戻る。
お布団から太陽ようなにおいがしないことぐらいだ。
0から
空に輝く100点満点の星空は僕にはいつも眩しくて、憧れで、いつか僕もそうなりたいと思っていた。
僕は物心着いた頃は0だった。
君は物心着いた時は1だった。
0の僕が1の君と同じことをして叱られた。
1の君が0の僕を見て恨みがましい顔をした。
ある出来事で僕は0から1になった。
君はその頃には僕の何十歩も先にいた。
君を見て僕の1は0なんだと実感させられる。
僕を見て君はお前の前には俺がいると言われる。
僕の隣でいつも輝いて、幼い頃からの憧れだった1の君。
0の僕を見て前はいつもやっかみながら今は認めてくれた。
僕は君に追いつき、いつか追い抜く。貰ったんだ満点の星空から1を。満点なんかよりももっと先を君と一緒に目指したい。
君は常に僕の前を行くつもりかもしれないけど、満点を超えるときは僕が先に超える。秘密を共有した君と僕の静かな競走。
互いを認めあって0からスタート。
同情
君には色んな情をかけて、かけられてきた
悔しいことも苦しいことも嬉しいことも楽しかったことも
ほとんど一緒に味わってきた。
あの人にとって悲しいことがおきた。
何を言ってもそれはきっと意味はない。
中途半端な同情が人を傷付ける事だと、僕たちはよく理解しているから。
だから僕は、伸ばした手を引き、開いた口をぐっと閉じた。