それは、大切なことで。
絶対に、守りたいことで。
どうしても、諦められないことで。
でも、他人からしたらそうじゃなくて。
大切だったんだ。
守りたかったんだ。
諦められなかったんだ。
例えどれだけ”つまらないことでも”、自分にとっては違うんだと。
言えたところで何も変わらない現実に、何度だって打ちのめされるんだ。
つまらないことでも
ずっと、諦めてた。
夢だから、仕方ないって思ってた。
でも、そうじゃなかったんだ。
好きだから、ってのは、言い訳でしかなくて。
本当に好きなら、ちゃんと止めるべきだったし伝えるべきだった。
そうしなかったのは、単に弱かったせい。
いつかは止めなきゃって、思ってた。
でも、その時だけでも見てもらえるなら、それだけで幸せだった。
だから、どうしてもその先に進めなかったんだ。
あの時行動しなかったら、こんな結末にはならなかったんだろう。
たまたま、なんて言葉で片付けられそうな行動は、今思えば必然だったんだろう。
その先に進むための、確かな一歩にはなったから。
ずっと、こうしていたかった。
ずっと、このままでいたかった。
でも、それがもう限界だった解ってた。
あの人の”目が覚めるまでに”。
あいつの”目が覚めるまでに”。
終わらない悪夢から、始まりの現実へ。
全てはそこから始まるんだから。
目が覚めるまでに
切り取られた絵画のような、そんな世界。
ポツン、と一人ぼっちの時もあるし、賑やかな声に包まれている時もある。
いつだって隔てて見ている空は遠くて、地面の感触も知らないまま見下ろして。
明日がどうなるかなんて解らないまま、夢を馳せたのはいつだっけ?
それすらも解らないまま、ただこの世界を享受する。
それがいつだって白い世界だとは限らないけれど、ね?
病室
したいことは、幾つかある。
それはきっと、大したことじゃなくて。
ただ一緒にできたらいいなぁ、なんて思うくらいの、些細なことで。
それがね、どれだけ幸せなことか、なんて知らなかった。
だって、いつだってできるって、思っていたから。
でも、違ったんだよね。
降り続ける雨は、久しぶりの雨で。
大切なものだって解っているけど、やっぱりつまらなくて。
だから、早く会いたい。
”明日、もし晴れたら”何をしようか?
そんな言葉が当たり前に返ってくるんだって、信じていたんだ。
明日、もし晴れたら
知ったら、ダメになる。
知ったら、抜け出せなくなる。
知ったら、甘えてしまう。
そう思って、ずっと避けてきたんだ。
あることは解ってたけど、近づくことができなかった。
甘えたらいけない。頼ってはいけない。ハマってはいけない。
そうなってしまったら、もうどうしようもないくらい弱くなってしまうから。
弱いって解ってるから、できなかった。
弱いって解ってるから、したくなかった。
でも、だからといってできる訳じゃなくて。
ずっと、ただの独りよがりだって解ってた。
”だから、一人でいたい。”そう思っていたのに。
この温かさを知ってしまったら、もう無理だって解ってしまった。
だから、一人でいたい。