NoName

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ずっと、諦めてた。
夢だから、仕方ないって思ってた。
でも、そうじゃなかったんだ。

好きだから、ってのは、言い訳でしかなくて。
本当に好きなら、ちゃんと止めるべきだったし伝えるべきだった。
そうしなかったのは、単に弱かったせい。

いつかは止めなきゃって、思ってた。
でも、その時だけでも見てもらえるなら、それだけで幸せだった。
だから、どうしてもその先に進めなかったんだ。

あの時行動しなかったら、こんな結末にはならなかったんだろう。
たまたま、なんて言葉で片付けられそうな行動は、今思えば必然だったんだろう。
その先に進むための、確かな一歩にはなったから。

ずっと、こうしていたかった。
ずっと、このままでいたかった。

でも、それがもう限界だった解ってた。

あの人の”目が覚めるまでに”。
あいつの”目が覚めるまでに”。

終わらない悪夢から、始まりの現実へ。

全てはそこから始まるんだから。




目が覚めるまでに

8/3/2023, 11:18:19 AM