ロマンチックなことは、正直照れ臭い。
嫌いじゃないが、性に合わないと言うか、何と言うか。
そうは言っても、どうせなら、喜んで欲しくて。
結局、照れ臭さより優先することがある。
星に願いを込める姿に、そっと”月に願いを”込めてみる。
星が聞いてくれるなら、月に誓うのも悪くない。
月に願いを
見慣れた景色を所々揺らがせて。
聞きなれた音を緩やかに遮って。
そんな世界が、思ったよりも心地よくて。
窓辺に佇んだまま、じっと空を見上げた。
そう言えば、雨は嫌いって言ってたっけ。
鬱陶しいし、外に出れないし、セットも決まらない、なんて、拗ねて不貞腐れて。
宥めるのが結構大変だったっけ。
意外と気が合ってはいたけど、これだけは合わなかったなぁ、なんて思い出して苦笑する。
ーーー懐かしい、なぁなんて思うくらいには、時間が経ってるんだよな。
”いつまでも降り止まない、雨”が、少しだけ煩わしく感じたのは、らしくない感傷に浸ったせいかもしれない。
いつまでも降り止まない、雨
終わりがないことだと思ってた。
どこまで行っても、抜け出せなくて。
どう尽くしても、伝えきれることじゃないって解ってたから。
それでも、そうするしか手段はなくて。
どうあっても、それでしかいられなくて。
だから不安で、怖くて、居たたまれなくて。
どうしてここに自分がいるのかさえ、解らなくて仕方なかった。
それは今も変わってなくて。
自分と言うモノが、一体何の価値があって、何のためにいるのか解らなくて。
無意味で無価値。
そう思うことでしか、自分の意義を見出だせなくて。
ーーーでも、何とか生きているわけで。
だから、”あの頃の不安だった私へ”。
私は今も生きています。
あの頃の不安だった私へ
誰しも、思い込みや勘違いはあると思う。
それは、過去の経験から、現状の体験から、人伝の会話から。
一度そう思い込んでしまったら、返ることも変わることもなかなかに難しい。
誰しも、自分が間違っていた、なんて思いたくない。
認めて、変わることを受け入れられる人ばかりじゃないことも事実で。
世の中は、受け入れて変われた人が成功することもあれば、変わらずに貫き通した人が成功することもある。
ーーーそうなると、どちらも”逃れられない呪縛”なんだろう。
どちらにも成功者がいるお陰で、どちらにも敗者がいること。
この事実を認めることが、実は一番難しいのかもしれないね。
逃れられない呪縛
いつだって、そうだった。
しっかりと握ってたのに、確かに捕まえていたのに。
気が付いたら、何にも残ってなくて。顔を上げたら、誰もいなくて。
それがずっと、当たり前だった。
……そんな日常が変わったのは、きっとキミのせい、なんだろうねぇ?
知らない方が、よかったのかもしれない。気づかない方が、よかったのかもしれない。
でも、やっぱり、良かったのかもしれないね。
そうじゃなかったら、ボクのしてきたことは無意味で無価値でしかなくて。
そうじゃなかったら、きっと、そんな風には思えなかったかもしれないからね~。
”昨日へのさよなら、明日との出会い”なんて、残酷でロマンチックな例えはキミだからこそ生まれたのかもね?
全てにさよならと言うボクと、全ての出会いに踏み出すキミ。
ーーーうん、やっぱりキミにはピッタリの例えだ。
昨日へのさよなら、明日との出会い