NoName

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いつだって、そうだった。
しっかりと握ってたのに、確かに捕まえていたのに。
気が付いたら、何にも残ってなくて。顔を上げたら、誰もいなくて。
それがずっと、当たり前だった。

……そんな日常が変わったのは、きっとキミのせい、なんだろうねぇ?

知らない方が、よかったのかもしれない。気づかない方が、よかったのかもしれない。

でも、やっぱり、良かったのかもしれないね。
そうじゃなかったら、ボクのしてきたことは無意味で無価値でしかなくて。
そうじゃなかったら、きっと、そんな風には思えなかったかもしれないからね~。

”昨日へのさよなら、明日との出会い”なんて、残酷でロマンチックな例えはキミだからこそ生まれたのかもね?

全てにさよならと言うボクと、全ての出会いに踏み出すキミ。

ーーーうん、やっぱりキミにはピッタリの例えだ。



昨日へのさよなら、明日との出会い

5/22/2023, 12:47:57 PM