時々、無意味なことを考える。
それはもしもの世界。もしかしたら、あり得たかもしれない世界。
それを思う度に、自嘲せずにはいられなくて。
分岐点は、きっと幾つもあったんだろう。
まるでゲームの様に、複雑で、難解で、無数の選択肢があったんだろう。
その一つを間違えただけで、全てが台無しになることだってある。
だとしても、もしもを願ってしまうのは、今を後悔しているからなんだろう。
分岐点から別の選択をしたとしても、必ずしも理想通りになるなんて、解らないのに。
”明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。”
世界がなくなるとしたら、セカイが生まれないことを願うだろう。
セカイがなければ、分岐や選択に絶望する必要なんてないんだから。
明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。
期待はしない。それが信条だった。
でも、本当は違ったんだ。
ずっと、怖かった。いつまでもそのままでいられるなんてあり得ない。
それを理解しているからこそ、期待しなくなった。
そんな自分を知られたくなくて、必死で取り繕って。
どうにかこうにか、生きてはいけたんだ。
期待をしない。それはどちらに対しても思ってることで。
生きているのに脇役で、引き立て役で、道化になって死んでいた。
それが、在り方だと思い込んでいたんだ。
脇役であることを、引き立て役であることを、道化になっていることを、後悔したこともある。
自分を魅せることは苦手だ。見せることさえ怪しいんだから当然。
誰かの引き立てになれる程平凡かと言われたら、平凡にさえなれないポンコツで。
チグハグな言葉と行動で道化になっていることにさえ気づかない、哀れと嗤われる存在でしかない。
ーーーけれど、だからこそ。
そんな”君と出逢ってから、私は・・・”
ようやく見つけられたセカイがあるのだと確信した。
君と出逢ってから、私は・・・
作ることは嫌いじゃない。
でも、オリジナルは1つもない。
自分が作る世界は、いつだって誰かの模倣で。
ありきたりで、つまらなくて、どこにでもあるモノしか作れない。
それがプロになれない理由だと諦めて、挑戦することも、そこから学ぶこともしなかった。
ーーーでも、模倣は自分の唯一の武器で、自分の在り方で、作る証明だと知らされた。
作ることは好きだ。けれどそこに個性はない。
その個性のなさが、自分の作り出すものなのかもしれない。
個性がないと言うことは、個と言う我を、自分はいつだって消せると言うこと。
それを、強みだと思ってもいいのか解らないけれど。
”大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?”
目を閉じた先に浮かんだセカイは、やはりありきたりで味気ない、そんなセカイだった。
大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?
伝えたかった言葉は、幾らでもあって。
でももう、届かないのかなって思う度に、哀しくなって。
違うか。届かないんじゃなくて、解らないんだ。
その言葉を伝えた時、どんな顔をするんだろう?
どんなふうに、返してくれるんだろう?
想像はできても、答えを知ることはできないんだ。
でも、それでいいのかもしれない。
解らないままの方が、きっと幸せだと思うから。
”「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて、言葉を綴ってみて。”
綴る言葉は、それだけ。
後はいつか、直接聞きに行くから。
だから、その時まで、待っていてね。
「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて、言葉を綴ってみて。
満たされることが怖かった。
一度でも満たされてしまえば、後は枯れていく様に怯えるしかないって思ったから。
半端なままでいい。全力で、満たさなくていい。
俺にそんな価値があるとも思えないし、お前は、まだまだこれからじゃんか。
いつかは、手を離さないといけないんだって解ってる。
解ってる、はずなのに、解りたくないってワガママ言ってる自分が嫌いだ。
ーーーなぁ。お前はどうして俺を選んだの?
お前なら、俺なんかよりお似合いの奴は幾らでもいたはずなのに。
それなのに、なんで俺を隣に置こうって思ったの?
こんな、取り柄もないどうしようもない奴なんて、お前には相応しくないのに。
幾ら考えても解らなくて、余計に怖くて仕方ないんだ。
手を離さなきゃいけないのに、手を離される恐怖に怯えるなんて情けないのに。
だから、だから、もう”優しくしないで”
いつか手を離されるなら、その優しささえ凶器でしかないんだから。
優しくしないで