NoName

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期待はしない。それが信条だった。
でも、本当は違ったんだ。

ずっと、怖かった。いつまでもそのままでいられるなんてあり得ない。
それを理解しているからこそ、期待しなくなった。
そんな自分を知られたくなくて、必死で取り繕って。
どうにかこうにか、生きてはいけたんだ。

期待をしない。それはどちらに対しても思ってることで。
生きているのに脇役で、引き立て役で、道化になって死んでいた。
それが、在り方だと思い込んでいたんだ。

脇役であることを、引き立て役であることを、道化になっていることを、後悔したこともある。

自分を魅せることは苦手だ。見せることさえ怪しいんだから当然。
誰かの引き立てになれる程平凡かと言われたら、平凡にさえなれないポンコツで。
チグハグな言葉と行動で道化になっていることにさえ気づかない、哀れと嗤われる存在でしかない。

ーーーけれど、だからこそ。
そんな”君と出逢ってから、私は・・・”

ようやく見つけられたセカイがあるのだと確信した。



君と出逢ってから、私は・・・

5/5/2023, 2:19:58 PM