#18 蝶よ花よ
[蝶よ花よと言うけれど]
貴方は、こんなに優しい人ですもの。
蝶よ花よと両親に育てられたんでしょうね。
世間話で、よく言われるセリフだ。
残念ながら親しい人は、
キレイに見せかけた毒花に見えるという。
人は見かけによらぬもの。
表面だけみてもわからない。
他人の評価なぞ、みる視点一つで
ガラリと変わる。
だから、
蝶よ花よと育てられたように見えたとしたら、
その分優しい人と思われているということ。
今日も他人に優しくあれて良かった。
#17 最初から決まっていた
[貴方は、失敗する運命である]
最初から決まっていた。
貴方は、そう遠くない未来に失敗する。
心苦しいが、今の貴方を見れば分かる。
嘆くことは無い。
今ここで失敗する未来を直視できて、
むしろ良かった。
何も想定しなかった未来よりも
確実にいい未来が訪れる可能性が
たった今生まれた。
後は、最悪の未来を想定して
最大限の努力をすれば良い。
それでも未来は変わらないかもしれない。
でも、貴方が努力した姿は記録されている。
寸分違わず、正確に。
だから、最初から決まった未来に
嘆いている暇は無いんだ。
生きている今しか、チャンスが無いんだ。
# 16 太陽
[太陽信仰と科学技術]
太陽は、奇跡だ。
太陽光が無いと、私たちは生きられない。
太陽光が無いと、植物が光合成できない。
太陽の熱で水が蒸発しないと、雨が降らない。
光を浴びないと、体内時計が狂ってしまう。
私たちが普段当たり前と感じている太陽は、
こんなにも私たちに奇跡を起こしてくれている。
古代エジプト王朝の遺跡は、太陽信仰が
色濃く反映されている。
ローマ神話も同じだ。
多くの神話に太陽神は登場する。
当時は、大自然によって命運が左右される
要素が多いために、より信仰心が
深まったのだと、エジプト王朝の書物に
書かれていた。
対して、現代はどうだろう。
太陽光が無いと困る課題は、
全て科学技術で解決することが望ましいと
されている。
科学技術は、本当に素晴らしい。
誰かのために、人類が時をかけて創り上げた
努力の結晶だ。
素晴らしすぎるが、それを扱う人類にとって
その技術は果たして身の丈に合っていたの
だろうか?
事実として、信仰心は風前の灯火だ。
信仰心の高い昔に比べて、実は新しいモノを
良しとする現代の方が劣っていたりはしない
だろうか?
太陽神の前に、矛盾した世界が映っていると
して、これは本当に恐ろしいことのように
感じてしまった。
#15 鐘の音
[神父様の想いを乗せた音]
教会の鐘が鳴る。
時刻は、日曜日の午前10時30分を
まわったところだ。
私は、キリスト教徒ではないが、
毎朝教会の前を通ると、
本日のお言葉を書にしたためた貼り紙が
目に飛び込んでくる。
ある日のことだった。
教会でお葬式が行われていた。
神父様が亡くなられたからだそうだ。
式場の前を通ると、
亡くなられた神父様の熱い想いが伝わってくる。
心中で感謝の意を込めると、
葬式に行かれる方から会釈をしていただいた。
この神父様が、
何を思ってこの地で神父を務めていらしたか、
どれだけこの地を案じていらしたか、
お顔を拝見したことはないけれど伝わってきた。
亡くなる1カ月前程からだろうか。
妙に決死迫るお言葉だな、とは感じていた。
でも、この日を迎えるまで、
本日のお言葉はやっぱりキリスト教徒に向けて
記したものと思っていた。
しかし、この葬式を皮切りに、考えを改めた。
例え、異なる宗教でも神様を尊ぶ心に
変わりはない。
この亡くなられた神父様のように、
私も、この地を守る想いを持ちたいと
心から思った。
この日から教会の鐘の音は、
只の時報から
心を悔い改める音に変わった。
#14 つまらないことでも
[つまらない原因は、過去の傷ついた自分]
つまらないときは、
自分の内面に向き合ってみる。
過去の傷ついた自分に、
共感してみる。
辛かったね。苦しかったね。
今まで守ってくれてありがとう。
これからは今の私が守るよ。
そうすると、つまらないことも
少しずつ楽しく向き合えるようになっていく。