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8/3/2024, 9:25:09 PM

#13 目が覚めるまでに

   [人類は目を閉じてしまった]


  人類の目は、眠ってしまった。
  目の前の欲に駆られて、大自然を敬う心を
  意識の奥に追いやってしまった。
  風の音、虫の音を慈しむ心を無くして、
  私たちは悪魔に心を奪われてしまった。


  どれくらい経てば、人類の目が覚めるだろう。
  大自然は優しいとは限らない。
  悪を正当化して、
  果たして大自然に嘘は通じるだろうか。
  
  人類の目が覚めるまで、
  地球はあとどれくらい耐えられるのだろうか。
  
  

8/2/2024, 1:33:52 PM

#12 病室

 [病棟内の世界]

  おはようございます。
  入院生活は、今日も看護師の挨拶から始まる。
  清々しい朝だ。

  
  点滴の時間だ。
  点滴の針が刺さっているか確認し、
  新しいものに取り替える。
  点滴から液体が落ちるたびに、
  針がズレて痛い。
  まぁ、慣れだと思い込んで過ごしたら
  何とかなる。
  

  お次は、大変困った。
  苦しい朝食の時間が来てしまった。

  ここ何日かは絶食中で、点滴で過ごしていた。
  だから、食事はまだ離乳食レベル。
  今日のメニューは、
  出汁スープに重湯、梅肉チューブとお茶。
  
  一口、重湯を食べる。
  うん、食べたくない。
  食べても気持ちが悪くなる。
  もう早くも絶食期間に戻りたい。
  点滴の方が楽だ。
  でも、点滴生活に戻って、
  もっと痛い目に遭うよりは良いだろう。

  仕方がないから、もう一口。
  苦しみながら、また挑戦。
  案の定、食事は進まない。
  
  結局、ほとんど残してしまった。
  重湯を1〜2割くらい、
  梅肉チューブの助けを借りて
  ギリギリ食べられた。
  下膳する際、残してしまって
  申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
  

  その後、朝礼中のナースステーションから、
  担当看護師の
  「全然食べてくれなかった〜😞」    
  と嘆く声が聞こえたが、
  「あら、昨夜はもっと食べてなかったわよ?」
  と別の看護師が伝えている声が聞こえて、
  担当看護師の
  「そう。そうなんだ。」
  という声に、若干焦りつつホッとした。
  昨晩、この担当看護師にお世話になったから、
  あまり悲しむような夜勤明けでなくて良かった。

  
  この後は、バイタルチェックと、
  日によっては、採血。
  痛みに敏感な私は、顔をしかめている。
  悲鳴を上げる寸前みたいな顔だ。
  といっても、
  所詮は点滴の針と同レベルの痛みのはずだが。


  検査に呼ばれた。
  体力が無いので、車椅子で1階に向かう。
  病棟と違い、外来の1階は寒いので
  上着は必須だ。


  検査に戻ってくると、担当医が来られた。
  どうやら私を探していたようだ。
  検査技師も医師も看護師も時間がなく、
  患者をよくこんな感じで探し回っている。
  今日の体調を聞かれて、今日の検査の話と
  今後の方針をテンポよく話されて、
  足早に立ち去っていく。


  ふー、ようやく一息。
  次は入浴。
  朝食の前後の時間にナースステーションへ行き、 
  予約済みだ。

  最初の頃は、予約?何のこと?どうやって?
  と困って看護師に聞いても
  「そんなこともできないの?」
  「入院時に説明されましたよね?」
  という眼差しで、簡易な説明だけされて放置。
  私は、入院時夜なので、
  何も説明する余裕もなく病棟へ運ばれた。 
  救急車で搬送されて、
  いきなり入院が決まったので、
  (私を見てたほとんどの人が、入院になると
  思ってなかった)  
  病床を確保するだけでも一苦労だった。
  加えて、昨夜まではベッドから出るのは
  トイレの時だけ。他はナースコールするよう
  言われて、何も自分でできない生活をしていた。
  そんな事情だったのだが、
  この看護師の目には、この年になって
  何もできない甘やかされた子供、と書いてある。
  放置された私は
  「どーしよう、どーしよう💦」
  一日中焦りっぱなし。
  何とか予約場所を見つけて予約するも、
  ドライヤーの場所はわからない、
  洗濯済みのタオルや入院着の場所も、
  使用済みのタオルや入院着の場所も、
  あまつさえ汚物入れもどこなのかわからない。
  質問したくても担当看護師はいない。
  他の看護師も質問出来なさそうなくらい、
  忙しい。
  半泣きしながら、全力で探していたおかげで、
  何とか数日かけて学習した。

  となりの病室の高齢者は、看護師に丁寧な対応を 
  されていた。
  あまりの差に泣きそうになった。
  当の患者が文句を言っていた姿を見て、
  涙も吹っ飛んだが😅

  私は、基本的な社会常識を知らない。
  物事は全て暴力で親に支配されていたから。
  指示待ち人形に、普通の大人の振る舞いを
  求められてもどうやったら良いかわからない。
  必死に繕っている大人の皮を被った子供に
  入院生活は、世間の私を見る目を
  改めて認識する時間だった。

  でも、社会には一定数優しい人がいる。
  私は、優しい人達に見守られて、
  一つ一つ社会常識を学んでいるから
  ここまで生きて来られた。
  入院中も同じこと。
  どんなに誹謗中傷の声が聞こえても、
  私が落ち込んで優しい人の心を痛めたり
  しなくないから、
  一々傷ついてなどいられないのだ。
  まあ、この日は心無い言葉に傷ついて、
  優しい人の心を痛めてしまったが、仕方ない。
  そう言う時もある。

  入浴の話から脱線したが、
  まとめると、
  とにかく病室の1日は厳しいので、
  健康がどれだけ幸せか、と言う話だ。
  特に、若者は健康だと思われているから、 
  病棟にいると「あなた何でここにいるの?」
  という目線に耐えることになる。
  笑顔で接してくれる看護師は貴重だ。
  ちょうどこの前のテーマ「澄んだ瞳」そのもので
  看てくれる瞬間、不安もたちまち消えていく。

  社会の縮図の反映。
  それが、私から見た病室というものだった。
  
  

  
  

  
  
  
  

8/2/2024, 12:44:17 AM

#11 明日、もし晴れたら

  [黄金色]

  お天道様に感謝を込めて、参拝しよう。

  早朝。
  神社の境内には、
  太陽の光が、拝殿に降り注ぐ。
  やがて光は、千木に反射して、
  まばゆい黄金色に輝く。
  
  あゝ、この光景が見られるだけで、幸せだ。
  
  
  
  

7/31/2024, 11:40:53 AM

#10 だから、1人でいたい

  [1人で立っていたい]

  全てはいずれ死がやって来る。
  それは今かもしれない。 

  だから、心はいつも1人で立っていたい。
  そして、かけがえのない人と出会えた今を
  大切にしたい。


  でも、どうしたら
  心は1人で立っていられるだろう?

  まず、自分の中にもう1人の冷静な自分が
  いると思って、意識してみる。

  もう1人の自分から、どんな声が聞こえてきた?

  頑張ったよ。もう大丈夫だよ。
  精一杯頑張ってたの、みてたよ。
  結果は関係ないよ。
  自分なりに一所懸命に生きれたら、十分よ。
  
  恐れなくて、大丈夫。
  いつかどこかで必ず帳尻が合う時が来るよ。
  因果応報。
  この世だけでは完結しないことを忘れないで。
  甘い汁を啜れるのはこの世だけ。
  あの世では、どんな魂も丸裸。
  だから、今を大切に。
  あの世で清算するとき、
  少しでも善徳が上回るように生きよう。
  生きている奇跡に感謝して。
  1人で立っていよう。

7/29/2024, 12:14:01 PM

#9 嵐が来ようとも

  [贈り物]
  
  嵐が来た。
  今そこにあったものが壊された。
  ああ、またいつもの展開だ。
  仕方ない。命があっての物種だ。
  次はもっと工夫してみよう。

  嵐が来た。
  当たり前のことができなくなった。
  当たり前は、既に過去となった。
  今を起点に考え直そう。
  悩み過ぎて、深刻にならないように。
  焦らずゆっくり前に進もう。

  嵐が来た。
  それは神様からの贈り物。
  逃げたっていい。
  乗り越えられなくてもいい。
  やればわかる。
  
 
  

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