世界を憎めるほど愛を知らないわけでもなく、世界を愛せるほど汚れていないわけでもない。
世界を語るのに資格はいらない。
世界を語るのに枷や束縛はなく、誰にでも平等に権利があり自由なのだ。
私が世界を語ってもいいのだろう。
だが口を噤み、世界を語るのは他の誰かに任せようと思う。
世界を語るのは私の役目ではない。
私の役目は粛々と生きてゆくことだろう。
役不足の私の口から発せられる世界はきっと色褪せることだろう。
それは世界を穢すことと同義なのだ。
#この世界は
『どうして』に続く言葉で思いつくのは、こうなった?だったり、〜をしたの?だったりするわけだけれども、疑問に対して答えを追求するのが自分や他者にとって良い結果に繋がるわけでもないんだよなぁと思う今日この頃。
原因解明や問題対処には見ないふりをしてグレーで済ませたい。
どうしてという言葉を使って自問自答したくもないし、人から聞かれたくもない。
なんか、あれだよなー、どうしてって響きを自分は好意的に受け取れないなと思う日でした。
#どうして
20代の頃を思い出すと、たくさんの失敗をしてきたなと、つくづく思わされる。
願って失敗をしたいわけでもなく、当時の自分にとっては最良だと思う行動であっても、現在の自分が過去を振り返ると、どうしてムキになってあんなことにこだわっていたのだろう?と嫌でも思わされてしまうのだ。
若い頃に失敗をたくさんしろと多くの先人は語るものだが、自分の過去を見る視点を変えてみると、気づけていないだけで人は生きている限り、たくさんの失敗を重ね続けているのではないかと思わされる。
現在にしたってそうだ。
未来は予想や妄想の域を出ることはない。
今日の自分にできることは限られていて、先の自分が後悔しないことを祈ることしかできない。
一日の歩みは人生で見れば小さくて目視もできないような点なのかもしれないが、それでも恥や失敗を怖がりながらも点が何かの線になることを祈りながら生きることしか、きっとできないのだろう。
今の自分にできることは過去の失敗を糧にして、同じ失敗を繰り返していないことを願いながら生きていくことだけだろう。
後悔のない人生や素晴らしい人生なんて死ぬ間際にならないとわからない。
ただ自分が死ぬ瞬間に少しだけでも笑える人生であったのなら素晴らしい生き方をしたのではないのかなと思う。
先のことなんて頑張っても、わからない時はわからないが最後を迎える時に自分が少しでも笑える人生を送れていますように。
#20歳
月の満ち欠けを日常は気にかけたりもせず、満月の日にだけ月のありがたみを感じていた。
それは色んな月の形が満月という存在を支えているからだと思う。
三日月を見つけると不安感を抱かせるが、それと同時に魅力的に思わせるのは何故だろう?
不安感は夜の暗さを引き立てるからだろう。
魅力的に思えるのは夜の暗さに負けずに輝く存在感と周りの星々を際立たせているからだろう。
孤独を和らげてくれるのは満月であり、孤独に寄り添ってくれるのは三日月なのではないだろうか?
そう考えたら三日月にも親しみを感じることができた。
今日の月はどんな形をしていただろうか?
そう思い立ち、寒い中、窓を開けて夜空を見回す。
残念ながら今日は月を見つけることはできなかった。
その代わりに存在感のあるオリオン座と他の星々が強く輝いていた。
何気なく過ごす日常に感動はあるのだろう。
次に見かける三日月に私は何を思い感じるのか少しだけ楽しみに思えた。
#三日月
最初は新品のキャンバスでした。
何も色を塗っていないのが自慢のキャンバスでした。
ある時、色がないなんてつまらないよと善意で赤色を塗る人がいました。
それは自慢のキャンバスを台無しにされたと感じた瞬間でした。その人にとっては善意でも自分にとっては善意ではなかったのです。
なんとか元のキャンバスに戻そうと白を塗ってみました。
赤と白が混ざり、滲み、もう元には戻せないのだと悟ると憤りと悲しみに包まれました。
しばらく落ち込んでいると、元気を出してと黄色を塗る人が現れました。
赤色を塗った人と同じことをしているのに黄色を塗った人には悪意を感じませんでした。
黄色を塗り重ねてみると橙色が生まれました。
赤、白、黄色が混ざり合いパステルカラーの明るい色になりました。
嬉しくなって顔が綻びました。
それは何も色を塗っていないキャンバスよりも魅力的に思えたからです。
黄色を塗ってくれた人にありがとうと伝えました。
人の善意に触れた時、色を塗るのが怖くなくなりました。
他にも色を足したらどんなキャンバスになるんだろう?
疑問に思い、自分から人に歩み寄って明るい色や暗い色を分けてもらいました。
色を分けてもらう毎に、キャンバスに絵の具を塗りました。
たくさん色を塗り重ねて、出来上がったのは色彩豊かなキャンバスでした。
最初は真っ白が自慢でした。
ですが今では色んな人との思い出が詰まったキャンバスが自慢の宝物となったのでした。
#色とりどり