とあるほんまる

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8/17/2024, 1:57:36 PM

読みかけの本を思い出した。
君がオススメしたたぬきやら妖怪が出てくる現代ファンタジーの小説。重なった任務や雑務、更には盆に合わさりぞろぞろとお出まししたお客様ども。
お前と僕たちが同じならば、ものは物らしく人間に使われ愛せよ乙女、小さな幸せよ、僕らに降りかかれと密かに思うのが本能ではないか。
…こいつも、いつかこうしてお盆の時期に大目玉と一緒に僕と戦う日がいつか来てしまうのだろうか、それは、困ったな、君が折ってくれた折り紙の桔梗はそっとまだ、本に挟んだままにしておく。

8/16/2024, 1:47:06 PM

僕が使える主は、正直いって馬鹿だと思う。
食べ方は汚いし所作が先ずなっていない。
シャボン玉だって謝り口の中に含んで飲み込んでしまう始末。
蒼空と同じ色をした髪色は毎朝くしゃくしゃのまま、僕の元に現れて初めて綺麗に整われる。

丁寧に櫛を通しキツく結べば痛いとすぐ言うのだから少しだけ緩めに結んでやる。

まったく仕方の無い主だね。

で、なに?誇らしさだったか、そんなものないよ、付喪神が人間に誇らしさなんて…ねぇ
一振、一振、物にも人にも優しくし、弱いものを助け強き者と肩を並べる。

時に無常な選択肢を目の前に差し出されても、真っ先に己を犠牲にしてしまう。
物に気持ちなんて寄せなくていいのに、
使ってなんぼ、キリキリマイに働いて朽ち果てるまで傍において、人生その最後の一振に僕を選んで、
いつか、ほこりをかぶる。

8/15/2024, 3:01:53 PM

真昼とは違って少しだけ涼しくなった風に頬を撫でられる。この風が、僕の掌に変わってくれれば君の頬を簡単に撫でられたのに

8/14/2024, 5:22:24 AM

朝日を浴びる、風を飲み込む、空気をたくさん吸う。
たべたい、あそびたい、走って膝を擦りむく

どれも忘れてしまう、忘れて、痛みをどこかに置いてきてしまう。

置いてきてしまった分、痛みを思い出した頃、こんなに痛かったんだと気がついて泣きたくなる

その痛みを受け入れて、大丈夫。

その忘れていた痛みはいずれ心を満たす。

他人からの悪意は、ひたすらに排除しなさい。

8/13/2024, 7:17:40 AM

誰も居ないと勘違いした君の鼻歌。
足りない背丈にぐっとつま先を伸ばして今日は珍しく僕の代わりに物干し竿に手を伸ばし、布を掛けていく。
白く爽やかな風に靡かれた布団のしーつは暑くて蕩けてしまう夏を攫って、そして君が額にかいた汗を着物の裾で拭った。
ふんふんとトーンが高くなりつつ小さく響く鼻歌と、君の背丈と君の命、愛おしくて、後ろから抱きしめた。

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