誰も居ないと勘違いした君の鼻歌。足りない背丈にぐっとつま先を伸ばして今日は珍しく僕の代わりに物干し竿に手を伸ばし、布を掛けていく。白く爽やかな風に靡かれた布団のしーつは暑くて蕩けてしまう夏を攫って、そして君が額にかいた汗を着物の裾で拭った。ふんふんとトーンが高くなりつつ小さく響く鼻歌と、君の背丈と君の命、愛おしくて、後ろから抱きしめた。
8/13/2024, 7:17:40 AM