Machi

Open App
5/22/2024, 11:07:09 AM

「また明日」「ばいばーい」「また明日!」「明日な〜」「さようならー」「また明日〜!」


今日も、沢山の「また明日」を聞いた。

その明日が必ず訪れるかと言われればノーだけど、私にはそれが毎日の小さな約束のように聞こえて、とても好きだ。

5/21/2024, 10:03:13 AM

貴方は今日も、いつもと変わらない。
優しく聡明で、聖人のような貴方。
欠点などないだろう貴方が実は不安定なのを、私だけが知っている。
私が忘れ物をして教室に取りに戻った日、貴方は教室の隅で泣いていた。
見たことのない泣き顔、聞いたことのない嗚咽。
それを見てしまってから、私の世界には、貴方以外いなくなった。

この透明な恋が、いつまでも続きますように。

5/20/2024, 10:51:04 AM

「私の理想のあなたしか、私は愛せない」
僕は心臓が早鐘を打つ中、その言葉を聞いた。
一世一代の告白。何年もの片思いを経て、やっと伝えた言葉。
君は目を伏せがちに、これで見捨ててくれるというような瞳をする。
上がりきった体温を感じながら、口を開いた。
「君の理想になってみせる」
僕が何年君を好きでいたと思っているんだ。
君の理想が高いのも、高いからこそ、大切な人が離れていってしまったことも知ってる。
だから僕は、君の為ならどんな人間にでもなれる。
君はパッと顔を上げ、呆けて僕の顔を見る。
「僕は、君が好きだ。理想の高い君が、好きだ。」
僕は言ってから、気付いた。
《理想の高い君》…これもきっと僕の、《理想のあなた》だ。
僕たちは案外、似た者同士なのかもしれない。
「………」
君は長い長い沈黙の末、口を開いた。

5/19/2024, 12:11:20 PM

私は泣き叫びながら体を揺さぶってくる妹の頭を撫でる。
唐突な揺れ。
対応できずにいるうちに家は倒壊し、柱やタンスに押しつぶされ父や母は死んだ。声が聞こえないところから、隣の部屋にいた祖父と祖母も同じだろう。
私は天井の梁が落ちてきそうな妹を庇い、下敷きになった。
足の感覚が無い。腹から生暖かい何かが吹き出し、妹の顔や手が汚れた。
遠のいていく意識を必死に繋ぎ止めて、最期まで妹に触れる。
この子はまだ中学生だ。私を「お兄ちゃん」と呼びながら涙を流す姿には、まだあどけなさが残っている。
「………――。」
私は震える声で妹の名前を呼んだ。
「…突然の別れは、そう珍しいものじゃないよ」
この子が、これからも前を向いて生きていけるように。
私達に、縛られることがないように。
またあの明るい笑顔で、笑ってくれるように。
「何があっても、生きるんだ。」
私はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「おばあさんになるまで生きて、温かいベッドで家族に囲まれて死ぬんだ。」
心優しくて明るい妹なら、すぐに良い人が現れるだろう。
それを祝福できないのだけが、心残りだ。
私は最後の力を振り絞って、それを妹に伝えた。

「生きて。」

5/18/2024, 10:46:07 AM

私は、私と親友と親友の好きな人しかいない教室で何本目かのポッキーを咥えながら言った。

「2人の恋物語、もう見飽きたからさぁ」


「もう付き合っちゃえよ!!」

Next