テーマ 梅雨
セカイは消えた。もう昔にあったセカイはどこにもない。昔あったキラキラと輝いていた太陽も、夜の真っ黒で見えなかった暗さから救ってくれていた月も、晴れていたときに見えたきれいな空も。たくさんの水が落ちてきて、空がグレーに染まっていた雨も。
全て消えた。あの『雨』のせいで
「っていうのが昔あったセカイのお話らしいよ〜」
「...ふ~ん」
でも、前のセカイは『隕石の雨』でなくなったんだよな。僕はわかった瞬間に声が出なかったよ。
今世は大丈夫かな。
おわり
テーマ 無垢
「...キィ」
扉が音を出す。この場所から動こうとしない自分を見て、だれかは入ってくる。
「...これ食べてね。あと扉の奥にはいかないように。」
毎回いわれるあれ。こっそり抜け出して読んでみた「ほん」にあった「げえむ」とやらや「がっこう」というものを僕は持ってない。
「なんで僕はここにいないといけないんだ?」
そう思った。そして、扉の先に行った。奥のだんさがある扉のところで音がなった。
「出るなっていったよね?」
何かが漂っていた。でも、怖くはなかった。僕はだれかを無視して扉を開けた。
「ここが..「そと」?」
何かをうたれて右の何かが無くなった。
でも、いいや。
「あのとき抜け出せたから」
セカイをしれたから。
おわり
テーマ 半袖
「...ぁ」
風が涼しい。半袖半ズボンだからなおさら風が当たる。風の強さがちょうどいいと思ったら風が吹かなくなった。残念だったが、もうなんでもいいやと思ってしまった。
「今年の夏は平和かな」
隣の幽霊が喋っている。またこいつか。夏にしか出てこない亡霊。結構昔に死んでしまっていたらしい。
「そうだといいね。」
亡霊もいなくなる平和なセカイを僕は望んでいた。
おわり
テーマ 逃れられない
「人間っていつか死ぬんだよ!」
元気に少年は言った。少年の言葉は事実だった。
「人間のじゃなければ生きてるの?」
「それは知らない!」
「ほぇ~」
軽く話してる少年少女。そう。人間はいつか死ぬの。だからあいつも死んだ。
僕という死神のせいでね。
おわり
テーマ 透明
「...君一人?」
「..うん」
僕たちの生まれた島は君と二人だった。年は9歳。親が捨てたんだろう。服は2着だけあった。
「これ遊べるかな?」
「これ食べれるかな?」
子供だから知識がないが、頑張って二人で生きていた。
ある日、
「ちょっと食料取ってくる」
「今は外危n」
僕が止める前に君は家を出た。昔使ってあったと思われる空き家は扉が揺れていた。雷が危ないのに。
「...はぁはぁ」
見つけた。桟橋のところで泣いていた。辛いと思う。親のいない生活。本で知ったが、親がいて、友達がいて、学校に行って楽しんでるのが子どものよくある例。そう書いてあった本は廃校舎にあった。
「..ごめんね」
「まっt」
「「「バッシャーン」」」
すごい水しぶきがたった。君は海の深くへ沈んでいった。海の中に急いで手を伸ばしたが、君は受け取ろうとは思っていなかったようだ。
「..リーン」
夏の涼しい風が古い風鈴の横を通ってゆく。暑くなってきて、僕は展望台に登っていった。そこは木だけど僕にとっては最高の展望台だ。丘の木の展望台は海と森が同時に見えて、より一層景色が綺麗に見えている。
「...ん?」
海の砂浜のところでなにか音がした。僕はそこに行った。
「貝か...」
綺麗な白さがある貝だった。それは海の美しさをすべて知ってそうだった。あいつのようにも輝かしかった。
桟橋を渡った。夏の青さと海の青さがきれいだった。もうつまらなくなった生活。
そして僕以外誰もいないこの島に
さよならを告げた。
おわり