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「...君一人?」
「..うん」
僕たちの生まれた島は君と二人だった。年は9歳。親が捨てたんだろう。服は2着だけあった。
「これ遊べるかな?」
「これ食べれるかな?」
子供だから知識がないが、頑張って二人で生きていた。
ある日、
「ちょっと食料取ってくる」
「今は外危n」
僕が止める前に君は家を出た。昔使ってあったと思われる空き家は扉が揺れていた。雷が危ないのに。
「...はぁはぁ」
見つけた。桟橋のところで泣いていた。辛いと思う。親のいない生活。本で知ったが、親がいて、友達がいて、学校に行って楽しんでるのが子どものよくある例。そう書いてあった本は廃校舎にあった。
「..ごめんね」
「まっt」
「「「バッシャーン」」」
すごい水しぶきがたった。君は海の深くへ沈んでいった。海の中に急いで手を伸ばしたが、君は受け取ろうとは思っていなかったようだ。
「..リーン」
夏の涼しい風が古い風鈴の横を通ってゆく。暑くなってきて、僕は展望台に登っていった。そこは木だけど僕にとっては最高の展望台だ。丘の木の展望台は海と森が同時に見えて、より一層景色が綺麗に見えている。
「...ん?」
海の砂浜のところでなにか音がした。僕はそこに行った。
「貝か...」
綺麗な白さがある貝だった。それは海の美しさをすべて知ってそうだった。あいつのようにも輝かしかった。
桟橋を渡った。夏の青さと海の青さがきれいだった。もうつまらなくなった生活。
そして僕以外誰もいないこの島に
さよならを告げた。
おわり
5/22/2024, 9:04:28 AM