六月の帰路

Open App
12/4/2022, 6:24:03 PM

天井に映る緑のLEDが少し僕を灯してくれていた
夢うつつにそれはたんぽぽにもなった
僕の目にはノイズが映ったようになった
それは暗闇に吸い込まれそうに夢に入ったみたいに
暗闇のなかの花火のようにも見えていた
生きている夢を見た
悲しかったから 刹那が蘇ること 死にたかったこと
死のうとしたこと 死ねなかったこと 生きていたことの夢だ しにたかった夢だ 大嫌いな夢のままにいた
僕は死んでいた そんな言葉が生きている証
宇宙の太陽に全て吸い込まれてしまう夢がいい
宇宙なんてなかった夢がいい
そんな言葉がない夢を見ている
雲がいなかった夢がいい 全てが真っ暗な夢がいい
真っ暗なんてない でも何も無いって何?
そんなことも嫌だ、全てが感触でつたわって
侵食された濁りの匂いがする
猫が飛び出す夢ならいいか 路地裏の世界に横たわる
猫ならいいか
登場人物はお前だけでいいのにな

11/30/2022, 4:08:15 PM

(3)

家に帰るのがどこか怖くて
そのまま自転車が進んでしまう 知らない坂道を下り
知らない風を受け 知らない地面を見ているのだ
ずっとあのころの教会を探している
でも探しても見つからずに いつも家に帰り
忘れたように眠りにつく

あの歌声と あの時計の声だけが頼り
私は夜道が怖いけど あの子を思い出すと
少し星が見えるような気がする

そのままずっと星を追いかける

11/29/2022, 11:36:00 PM

車をおりた時
すべての木漏れ日が死ぬ
一瞬で青グロく生まれ変わる向日葵が
鼻先からつま先に震えるみたいに怯えている
雲の存在が恋しくて でもどこか肌寒くて
どこからか鳴き声がして 悲しかったと思う

誰かを待っている でも待つのが怖い
待角が面倒くさい 山の麓から声がしてくる
今だけ不死身な気がしている 金縛りが起こっている
あなたが死んでいるように思えてきていた

宇宙のカーテンが広い
曇は埃かな
でもね
あまり開けたくないと思っちゃってる僕がいる

目だけが太陽 あなたが月のままでいい
今だけ不死身な気がした
トラックは通らずに
小さなコロコロ
あしの麓に あなたの瞳孔

11/27/2022, 3:41:38 PM

簪の似合うふさふさな帽子で
あなたの名前を呼んでいるまで
にぎやかな夏時雨 夕陽が廻る 段々と青色に変わりゆく
それはどんどん色を変えてゆく 虹では無いもの
何時の電車に乗るのか
そこまでの路は夕陽に聴いてみる
灰色の雲に ぶっきらぼうな口ぶりで 帽子を振り回す
本当に赤い夕陽に染まった唇
黒い絵の具なのに 何色にでも染まりゆく
多分ここはウクレレの鳴る向こう側
毎日の欠片とか 重さとかいうもの
それはただ横たわるだけで
寝癖がついて終わるだけになる
左側への道へ進み 信号が点滅している
トラックは止まらない 飛行機は止まらないんだ
どこもかしこも 命は綺麗だから泣いているんだ
君は不答 多分死があるから

逃げ出したあくる日に 夕陽が何色かを問いただして
何も答えてはくれないから

11/21/2022, 8:16:30 AM

爛れるように歩いて 霞むようなアスファルト
太陽がキラキラと地面の雑音が頭の中に滞っている
ただ草木が揺れているみたいに
階段を登ってゆくみたいに
そんな人生を臨んでいるだけなのに
たんぽぽみたいな花が咲う そして雨の日には蕾は眠る
ちゃぽちゃぽした水溜まりの傍に
君は僕が嫌いなのね
小さな刃物が殺人鬼が笑うみたいに僕の傍に揺れて
枯れていた僕を他所目に
雨水が項垂れるだけの音がしている
皮が血の海に覆われて 地獄絵図に化す❓
道路が動いているみたいだった 涙が動いて
僕はただ死んでゆく塗れになるだけだった
せめて綺麗に死にたかった
線路を無くした電車のように
冷たい熱帯魚のように

僕はまるで僕みたいに死ぬんだ

Next