六月の帰路

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10/14/2022, 3:24:16 PM

昨晩から作品を作り続けていた。
長旅に身を任せた手紙みたいに、ゆっくりと音楽を聴きながら。
雨から逃げ続けていた気で、ずっと雨玉は僕の耳元に鳴り続けて、僕の作品にバックコーラスを奏でていた。
でもそれがやんでしまっては、僕は何か物足りない気がするんだ、
ただ降り続けるその前に、戻っただけというのに。
それは飼い主をなくした野良犬みたいなことだろうか。

夢幻の声がだんだん大きくなって 轟いたみたい
僕の言葉が手の隙間からこぼれ落ちて、どんどん消えてしまう夢を見た。
ずっと何かを追いかけて、水溜まりを踏んで、水が飛び出したところで目が覚めた。

今度、というあるかも分からない概念に私は心に縋っていた。上手くいくと思っていたから、そんなに悲しんでいたのだと、いつ気づくことが出来るのだろう?
その門を通るところから、私はもう諦めなければならなかったのかもしれない
変な赤色なんて、最初から塗りたくら無ければ良かったのかもしれない。

いつまでも、隣にいてくれる飼い主を探し求めていた
ように。冷たい戦争みたいな、そんなものが欲しかったわけではなかったのに。
時報が知らされることを、全く知らなかったみたいな僕でいた。
僕は雨玉にいつから追いつけるんだろう。



10/13/2022, 10:27:20 AM

(1)
教会で時計がチッタとなる頃、あの子はその隣で歌を歌って、誰も居ないその場所に音を響かせてた
そこにある葉っぱが散るよりも長く綺麗な高い声だったけど、
消して上手いとは言えない歌だったけど
何度も口どけが残るみたいにそんな、あたたかいスープみたいな歌
空から落っこちるみたいな風が吹いてその子は居なくなってしまったのを覚えてて
そのまま夜遅くの月明かりだけを見て海辺に帰ったのを覚えている。
その子は居ない子だって思うようになったのは
それから随分立った頃で、私がそんな話を誰かにしたこともないけれど
またあの教会に行ってみたくなった。そこには治安が悪いというか、結構暗い雰囲気が漂っていたんだけれど、気になっていつもいつも考えてしまうようになったから、行ってみることに決めたの。今日はあの頃より少し月が欠けていた。

10/11/2022, 2:47:07 PM

痛みがありペンを持つことは出来なかった
それは呼応になり 消して許されないみたいに
雨玉琥珀が流れてきても 眼が移ろいで みたくない
それが少し汚くなければ なにも見えなくなるみたい

ただ前を見ているだけじゃ 誰も彼も
後ろを見つめていれば それが 前になるみたいに
全員 私を指さした それは悪になるみたいにって
例え一角獣が あちら側にいたとしても
仕方ないでしょう 例え、悪魔がどちら側でも関係ない
満たされたいのに 満たされないように
ガーベラの声

夕立に揺れるりぼんがまるで似合わないって
傘の音鳴らされて それが愛すことだろうか
傘をあげること出来たなら 何が満たされた?
帰り道 黄色いビー玉 僕を呼んでいた
図書館で 左右に揺れた手が張って痛い
いつ時計が鳴るか それをいつ読み終わるかな

何時の間にか閉店時間 パッとしたチャイムが耳に残り
誰もが居なくなる 真夜中の小さな図書館の中
誰もの寂寥が残るのだろう
最後にカーテンコール揺れて 私の頬を撫でてくれる
いつかの声も忘れちゃうようだ




10/10/2022, 3:52:18 PM

正解の答え探しをして 何度も何度も解き直したんだけど 何度も何度も頑張ったけど 何も出なかったことより
頑張った分だけ脈がなくなっちゃって
あの小説は もうどこへいってしまったんだったっけ。
喜んだ過去より醜い顔面が先に目がいくの
どれだけね話したいことって 見つからないから
どれだけね虚しくたって その関係取り繕って
死にたくなるんだ

部屋が愚痴ゃぐちゃに 埋められていくのに
心がぜんぜん 埋まらない 布団にかくれんぼ
こんな詩書き連ねても ぜんぜん足りないね
他人も想って 削って 隠して 屈めて
死に体の処理を全く出来ずに

悲しい海の底 たくさんの雲に プカプカに
どこがあったっけ
そこになにがあったっけ
なにもないんだっけ
分かりもしないくせに どうしてそんなに分かったふりしてるんだろう
でも そんなもんなのかな ただのエゴイストに
ただのツクリモノのトマトジュース
海の底悪くは無い
誰も入ったことない ただ、入ったやつは死んだと思われるだろう

何度も何度も同じことを考えているのに
全くその事に気づかない 僕達はまるでかき回される珈琲になって
甘さが欲しくて旅に出る でも結局辛くてふりだしに戻るだけになる。
綺麗なポコポコした音、どこからか耳をすませば聞こえてきたりする時もあって
何度も聞いてしまうんだ 心にならされる。
心臓の音よりずっと綺麗だからかな

「でもまるで素敵だね」
その言の葉はどれだけの枝が切られて作られた者だろうか
そんな事考えてる時点で濁流の海に流されている者たちだ。今まで生きてきた道を隠そうと必死にしている者たちだ。
土台はゴミだと 作られたカスだからそう言うしか無かった 後ろ姿に手を繋ぎ それを必死に繕うとするね
何があるの?後ろの正面だけ それだけで創作してる


10/9/2022, 7:20:28 AM

布団の中
閉じ込めた心が 溢れないように
泣かせないように あたためていた
小さな雨音が 僕の代弁者になってくれるような
気がしてた

扉の向こう側とか
線路の向こう側にさ いる君とかさ
分かってない 分かってないのに
どこかなにかを 想って また 忘れていく

気慣れた制服だとか
聞き慣れたチャイムでも
ただ どこか 分からないでいるままで
誰かの声がノイズみたいに
溺れていくミミズの耳鳴りが ずっと聞こえている

もしも、そのまま座っていたとしたら
私は元気でいられたのかな
もしも声を出せたとしたらさ
そこにいて
僕が太陽を嫌うこともなかったって
言えるのかな

蝶蝶結びのやり方 分からなかった時
僕は何も知らない でも笑えてたような気がしたな

縄の結び方 知ってしまった時
誰もいなかったような気がした

夕方で 緑色で 青色で 草臥れた制服はカビていた
それもどこか 私の心を侵食するみたいに
何を問いかけても 誰も、
知らないフリをしていたみたいに

荒事だって 違う誰かがすると和事になる
私が花を掴むと それは直ぐに死に至る
それは誰だって同じだと
気づいたのは生まれた頃からだった。

何かを問題にしていた
何かを問題にして ワークを解いているの
私は ステージを間違えたみたいに
この世界にゲームオーバーもなくて
スタートも求めてはいなかった

嘲笑っても 虐めても 殺しても
お前は 何をしても許されて
称えられていたらしい
なにができるの?
じゃあ あなたにいったい なにができたの?
なにがしたいのか 自分でも分からないんだろう?

それは小さな
それは 所在地、住所、言葉
名前がなければ だれも 覚えてはいなかったから
死角も 嗅覚も 考えることも
小さなあたたかみも
うみだせないことが 苦しくてつまらないって
そんなことも 何もない場所で



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