見えない未来へ
過去はいつでも明るかった。
今とは違う輝きをもっていた。
1度手にしたはずなのにどうしようもなく羨ましい。
そのくせ未来はくだらない。
見えもしないし分かりもしない。想像なんて出来やしない。なのに拒むことすら許されない。
こんなものの何が明るいんだ。何に夢を見ているんだ。
見えないものに期待して、見えないものを夢見るのもいい加減にして欲しい。
見えない未来に飛び込む勇気も興味も私にはない。
君を照らす月
ただただ君を照らせるようになりたい。
僕といる君がいちばん綺麗だと言いたい。
そんな役目を1番に奪ったのは月だった。
あぁ憎らしい。
君のとなりは僕であるべきだったのに、
月は毎晩君を照らすんだ。
君を照らす月はどこか得意げに見えて、
落ち込む僕の傷に塩を塗る。
僕が照らすはずだった君の横顔は、
月明かりによって悔しいほどに輝いていた。
木漏れ日の跡
あの日、私たちは木漏れ日の下に全てを埋めた。
こぼれる光に自らを託すように
そしてできる限り輝くように。
こんな私たちでも木漏れ日の下では輝けた。
木の上のもっと広い世界に飛び立つことを夢見た。
けれど世界は残酷だ。
私たちが目指していた1番遠く大きな光源は
私たちを置いてずっと先に進んでしまった。
私たちは木漏れ日の跡に取り残された。
欲に負け、努力もせず他人の力で輝こうとした罰だ。
この先の私たちは、もう一度光源が歩む道に
重なり合うことだけを願う愚鈍で盆暗なものである。
ささやかな約束
「大人になって、お互い居場所もなくてどうしようもなくなったら一緒にいない?」
『それって約束?』
「そうだね。ささやかな約束。」
『そんな日が来ないといいね。
そんなどん底の人生なんてお互い歩みたくないだろう』
「それもそうだね。けど約束だよ。」
『わかってるよ。約束ね。』
そんな約束を思い出した今、『私』はもうどうしようもなく狭い世界でどん底を生きている。
心の迷路
この世の言葉じゃ表せない何かに追い詰められる感覚がずっとずっとあって、私が私でないと感じる瞬間がある。
ずっと「私」という何かを操っているようで、
答えの無い迷路みたいに迷い続けて抜け出せない。
「私」を理解しようとしたところで
私の心の迷路に正解なんてないのだから
抜け出せるはずがないの。
どうすればいい?どうすれば答えのある迷路になる?
熱が出るほど考えてもわからなかった。
もういっその事心なんてなければいい。