ところにより雨
晴ればかりを追いかける人生。
雨なんて嫌に決まっている。
けれど、
私の中の雨雲はよほど私を気に入っているらしい。
当たり前だ。
ジメジメした性格の私が似合うのは雨ばかり。
晴れた人を追いかけては逃げられて、変わろうとしない自分を見ては落ち込んでまた天気が荒れる。
私はなんてくだらないんだろう。
大抵のことは失敗してから気づくのだ。
胸が高鳴る
「恋しちゃったかも。」
『…え?』
君から出た突然の言葉に固まった。
『誰に恋したの?』
「知りたい?」
そうやってからかう君に、僕はずっと恋焦がれていた。
今までもこれからも伝えるつもりなんてなかった。
もちろんこの関係が崩れるのが怖いだけ。
『そりゃ気になるだろ。
誰なのさ、その好きなやつって。』
「さあね。」
『はぁ?もうなんなんだよ…』
そう言い残して僕は諦めた。どうせこいつのことだ。
意中の相手が僕でないことくらいわかっている。
私の思うように振り回されてくれる『君』は
本当に鈍感みたい。
君のことだから、
自分じゃないと勝手に落ち込んで諦めたんだろう。
「君が気づくまで絶対教えてあげないから。」
怖がり
「最近、世界全部が敵に見えて仕方がないんだ。」
「君は怖がりだね。
世間の目、自分の目にも恐れている。そんなんじゃ生きていたって楽しくないだろう?」
「当たり前じゃない。
怖がりだからなんだ。人の目を気にして何が悪い?」
「怖がりはいい事だよ。
石橋は叩いて渡った方が賢いし、慎重に丁寧に生きることは素晴らしいことだ。
けど、それじゃあ苦しくなる時が来るんだよ。
自分自身を怖がって、動けなくなるくらいなら
周りの目なんか気にせず怒られた方がいいこともあるってことさ。」
星が溢れる
「ねえ、月が綺麗ですね。」
「私は星の方が綺麗だと思うな。いくら月が綺麗でも、星が溢れる限り美しさは霞んでしまうものだよ。」
「それでも僕は月が好きだよ。」
平穏な日常
「今日ってなんの日か知ってる?」
「今日?3月11日、、あ。3.11。」
「そう。東日本大震災があった日だね。」
「そうだった。私たちは1歳の頃だっけ?
関係ないと思いがちだけど忘れちゃダメだよね。」
「そうだよね。平穏な日常が壊れた瞬間だったわけだし。それから耐震について一目置かれるようになったんだっけ?」
「私も地震についてはあんまりよく知らないなぁ。」
「なんだかんだ年々薄れているよね。そのうち忘れ去られるのかな。」
「どうだろうね。」