生きる意味
「君の生きる意味は?」
『さあね。そっちこそ生きる意味なんてあるの?』
「僕のことはいいんだよ。生きる意味なんて死ぬときに
わかればいいと思っているからね。」
とはいえモチベーションというものがある以上、
明日を生きる意味くらいは定まっていた方がいいのか?
『自分はいいと言っておきながら難しい顔をするんだね。生きる意味について悩んだことがあるんでしょ?』
「もちろんあるさ。何度も何度も考えたけど、僕には明日を生きる意味さえ分からなかった。だから、そういうのは未来の僕に任せたんだ。」
『未来の自分を信じることも、立派な意味じゃない。』
もしも未来を見れるなら
未来を見てしまえば
その未来は存在しないものになるのか。
未来を生きる私は、過去に未来を覗いた私なのか。
一体そこにいるのは誰で、どんな風に変わっていて、
今の私はどう思うのか。
想像した未来なんか訪れるわけがないのに、
妙に期待してしまう今の自分に未来などあるのか。
ところにより雨
晴ればかりを追いかける人生。
雨なんて嫌に決まっている。
けれど、
私の中の雨雲はよほど私を気に入っているらしい。
当たり前だ。
ジメジメした性格の私が似合うのは雨ばかり。
晴れた人を追いかけては逃げられて、変わろうとしない自分を見ては落ち込んでまた天気が荒れる。
私はなんてくだらないんだろう。
大抵のことは失敗してから気づくのだ。
胸が高鳴る
「恋しちゃったかも。」
『…え?』
君から出た突然の言葉に固まった。
『誰に恋したの?』
「知りたい?」
そうやってからかう君に、僕はずっと恋焦がれていた。
今までもこれからも伝えるつもりなんてなかった。
もちろんこの関係が崩れるのが怖いだけ。
『そりゃ気になるだろ。
誰なのさ、その好きなやつって。』
「さあね。」
『はぁ?もうなんなんだよ…』
そう言い残して僕は諦めた。どうせこいつのことだ。
意中の相手が僕でないことくらいわかっている。
私の思うように振り回されてくれる『君』は
本当に鈍感みたい。
君のことだから、
自分じゃないと勝手に落ち込んで諦めたんだろう。
「君が気づくまで絶対教えてあげないから。」
怖がり
「最近、世界全部が敵に見えて仕方がないんだ。」
「君は怖がりだね。
世間の目、自分の目にも恐れている。そんなんじゃ生きていたって楽しくないだろう?」
「当たり前じゃない。
怖がりだからなんだ。人の目を気にして何が悪い?」
「怖がりはいい事だよ。
石橋は叩いて渡った方が賢いし、慎重に丁寧に生きることは素晴らしいことだ。
けど、それじゃあ苦しくなる時が来るんだよ。
自分自身を怖がって、動けなくなるくらいなら
周りの目なんか気にせず怒られた方がいいこともあるってことさ。」