佐久夜の手記

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9/18/2021, 11:14:05 AM

見下ろす夜景の汚らわしさに
耐えきれず、目を閉じた
見上げる夜空の神々しさに
耐えきれず、目を閉じた

こんな夢を見続けている
ちっぽけな勇気を食みながら
こんな夢を見続けている
ちっぽけな勇気を呪いながら

見下ろす夜景の汚らわしさに
耐えきれず、目を閉じた
ここから幾人が死んだろう
あのアスファルトは幾人の血を
その灰色に浴びてきたのだろう

見上げる夜空の神々しさに
耐えきれず、目を閉じた
ここから幾人が昇ったろう
あの星空は幾人の魂を
その漆黒に受け入れてきたのだろう

こんな夢を見続けている
ちっぽけな勇気を食みながら
こんな夢を見続けている
ちっぽけな勇気を呪いながら

9/17/2021, 10:21:50 AM

熱に浮かされた夜の花畑は
この世のどんな場所より美しい

きらきら、ふわふわ、ひらひらと
微睡みと幻覚が私を誘う

熱が引いた夜、あの花畑は
一体どこに行ってしまうのだろう

消えてしまったのだろうか、そう思って
熱が引いたことを心底無念に思うのだけれど

月日が経って、熱を出して
あの花畑が、美しい花畑が
再び眼前に現れる

ああ、花畑は消えてなどいなかった!
あの花畑は、美しい花畑は
いつだって私の心の中に

9/16/2021, 2:28:44 PM

どん、と音を立てて
曇天が、私の上に落ちてきた。
世界中の憂鬱を集めて空に浮かべた、
どこぞの神の気まぐれが、私の上に落ちてきた。

青空に浮かぶ雲は白く軽いのに
鈍色に揺れる雲は暗く重い。
重い雲が呼吸を妨げる。
もがけど、もがけど、息は止まる。

杞憂と笑うか?
杞憂と笑えるか?
この気の狂うような地獄を
本当に杞憂と笑えるのか?

どん、と音を立てて
曇天が私の上に落ちてきた。

風よ、私だけの風よ。
どうか、私をここから救い出して。

9/15/2021, 10:26:13 PM

最後の会話
「じゃ、おやすみ」
「おう」
から、もう、一ヶ月も経つ
無言を貫くLINEの通知

その事実に焦っていないのだから
これは恋ではないんだろう
これは依存だ、醜い依存だ
あなたを愛するフリをしたんだ

恋とはなんだ? 美しいものか?
私にはわからない
愛とはなんだ? 素晴らしいものか?
私には理解できない

執拗に迫られたあの日の恐怖も
長い時を共に過ごした友人への想いも
同じ「恋」の生んだものか?
であれば私には恋はわからない

向けられたあれが恋だったのなら
私の、彼への想いは恋ではないのだろう
向けられたあれが執着だったのなら
私の、彼への想いは、あるいは……

恋とはなんだ? ありきたりなものか?
であれば私は正気じゃない

9/14/2021, 12:28:00 PM

私はいつまで歩けばいいのだ
長すぎる、この道は。
私はいつまで笑えばいいのだ
下らなすぎる、この日々は。
私はいつまで嘆けばいいのだ
辛すぎる、この夜は。
この命が燃え尽きるまで
こうしていなければならないのか?

私はいつまで生きればいいのだ
酷すぎる、この世は。

私はいつまで死にたがっているのだ
弱すぎる、この私は。

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