詭弁を舌の上で転がし
冷笑を微笑で覆い隠す
指先は無意味に机上を舞い
瞳孔の開いた愚者の目を眺める

嗚呼、かくて会話は進む
そこに意味などありはしない
嗚呼、かくて机上の空論は
ヒトのふりをして舞い踊る

そこに意味はない
そこに中身はない
そこに私の求めるものはない

さぁ、無意味な会話など捨て去って
有意義な議論をここに持て
会議は踊る、されど進まず
それでいいではありませんか

さぁ、その手を伸ばして　我が手を掴め
SHALL WE DANCE?

古人の　秋は夕暮れ　言へらくを
そよやと思へど　寝ぬ夜もまた

声が聞こえる、声が聞こえる
私を嘲る友の声が
声が聞こえる、声が聞こえる
私を憐れむ親の声が
声が聞こえる、声が聞こえる
私を軽んじる人々の声が
声が聞こえる、声が聞こえる
私を否定する、私自身の声が

嗚呼！ 気が触れそうだ
この声はどこから聞こえてくる？
探せど探せど、見当たらず
塞いだ耳にするりと入り込む
嗚呼！ 気が触れそうだ
それとも既に狂っているのか？
わからない、わからない、今日もまた
声が聞こえる

額田王、貴女の美しい黒髪の
秋の風に揺れるのを、今も我が脳裏に思わせるのが
貴女の詠んだという
それは、それは、美しい歌なのです

貴女は想い人を待たれていた
それは、それは、美しい心で
貴女は風を恨んだでしょうか？
それとも、貴女の想い人を？

ええ、ええ、私にはわかりっこない
しかし貴女のあの歌は　私に
恋のなんたるかを教えてくれる
大切なものなのです

君待つと
わが恋ひをれば
わが屋戸の
すだれ動かし
秋の風吹く

大事にしたいものってなんだろう？
家族？ 友達？ 恋人？
家庭？ 学校？ 世界？
必ず終わりのくるこの無常の世の中に
大事にすべきものってあるのだろうか？