腹と心臓が凍えた日
ゆうべの泡をかき集め、捏ねくり回して“ほし”にする
そのまま電光へと翳して仰ぎ
咀嚼と並んで味を無くす
「あの頃食べたガラスの味は、どんなものだか分からない
喉元過ぎれば熱さを無くす
喉元過ぎれば錆さえ潰す
鉄棒によく似たかの感覚は、思い出を置き去り時間に消えた
「星の光が思い出せない
点描以上に昇格されない
ノスタルジーに罹った世界でモザイクみたいに千々に散る
あんや指ってなんだったかと掴めないことを掴めない
等加速に失せゆく興
更にはうたう声帯の温度
何一つを為せず叫べず藻掻いた記録が日を跨ぐ
記憶の中で凍てつく星空
願い依がった星の感覚
どこか似ていた自堕落な生活
そのうち気がつくことがある
造っただけの現実に、 端から味がする筈なかった
赤虫って潰すなら、服から離すとよいそうです
潰した後の鮮やかが、洗えど中々落ちないのだと
よく車止めの裏や石畳に見ました
潰した帰りに言われたのが、それでした
後に生命を知りました
大事なものと聞きました
その日ふと思いました
何故あの人達は第一に、潰したことより洗い物を優先したのか
然程、大変な事柄ではないのかなと
次に、自らは自衛も儘ならぬ立場に在ると知りました
もし無理に力が揮われる時、生き死には相手の手に渡ること
同様なことを他の生命に為す場合、己の処遇に何一つ不満と言えぬこと
なので人は、人に優しくするんだと
しかし、窮地に立たされる時
きっと救えないほど殺します
けれどもならば、二度と恩赦を乞うこと叶わない
なんなら恩赦ありきの優しさを造る心理が許されない
そもそもどれだけ怯えに震えど、過去起こしたことが変わる道理がある訳ない
上下左右と前後に真裏
どこかしこだけを見ていたから、どこやかしこに目を塞ぐ
全てを見て見て
全てで縛ったこの口は
未だ息だけを嗄らす
いつかの言葉は正しかったと
洗えど背を這う紅の記憶
木枯らしの
散らす香に
暮れるまま
二度とは寄せぬ
キンモクセイ
僕の中身はからっぽだ
興味も特技もわからない
そんな自分の価値すら知らない
のうのうと笑える自分が嫌いだ
一挙一動気味が悪い
持ち上げた手は暖簾すら押さない
脳回路なども反吐が出る程月並みだ
否定に怯えて始まらないが
出来たら出来たで何もしない
「劣らずとも勝らず」
ずっと纏わり続ける言葉だ
結局何処にも貫けないのは
もう何の故だか解けない
ただずっと、物を告げぬ空白は
最善手だけを導かず
十年前
君と確かにそこにいた
あの日、その横断歩道に駆けてしまうまでは
君と確かにそこにいたんだ
まだ、きっと僕はそこにいる
君もずっとそこにいる
きっかり理解してる筈の君が、誰もいない教室を
信号を
ビー玉を
ただ眺めていることを知っている
湛えた時間と雨と君
望むならば共に笑いたかった
でも、それも叶わない
隣にいたって出会えやしない
だから、
せめて、
そのまま僕を探してて