人さがし

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1/10/2024, 10:26:00 PM

─20歳─

ねぇ、君は今も見てるかい?

僕ももう20歳になったよ。

成人式では小学校とか中学校の皆と会ってさ、

あの頃の思い出とか、今何してるのかとか、

他愛の無い話して盛り上がったんだ。

皆も君に会いたがってたよ。

君は今何してんだろうなってさ。

本当に、優しい人に恵まれてたね。


…嗚呼、君も生きてたら、

僕と同じで20歳だったのにね。

確か、小説家になりたいって言ってたっけ?

あの頃は自分の未来が見えないって悩んでたよね。

僕はさ、君が書いた小説、読みたかったな。

君は想像力豊かで、楽しそうで。

なのに、なんであんな事故が起きるんだろうね。

本当に、神様って不平等だな。君じゃなくて、僕だったら。

夢も中身も何もない、僕だったらよかったのにね。

もしそうなったら、君は悲しんでくれたのかな。

1/4/2024, 9:05:23 PM

─幸せとは─

幸せとは、何なのだろうか。

人によって違うことは分かる。

けれども、それを押し付けるのは違うと思う。

きっとそうしたら、どちらかが疲れきってしまう。

もし世界の全ての人々が、自分の幸せを押し付けたら。

それこそ正解が分からないし、世界が壊れちゃう。

それ程人間は欲深くて、幸せになりたいんだよ。


god only knows.

Happiness doesn't last long.

Also, the amount of happiness is fixed.

12/27/2023, 8:32:46 AM

─変わらないものはない─

何に置いても、変わらないものはない。

簡単に言ったら、年齢や時間。

深く考えて言ったら、人生や愛情。

全てのものが、いつか何かへと変わって行く。

その変化は、それぞれ良いことであったり、

はたまた悪いことであったり。

どちらにせよ、それを受け入れるしか、方法はない。

12/22/2023, 4:11:38 PM

─ゆずの香り─

家に帰り、「ただいま」と言う。

木霊したその言葉に対して、「おかえり」なんて返ってこない。

僕以外の人は居ないのだから。

今日は失敗ばかりだったな、と1日を振り返る。

洗濯物を取り入れるのを忘れて窓が開きっぱなしになっていたり、

会社で上司に怒られているのを同僚達に怪訝な見られたり、

何故か知らないが部屋は異様に汚れているし。

掃除する羽目になり、足腰が痛くなった。

しかし、朝用意していたゆずの香りの入浴剤を風呂にいれ、

優しく、何処か酸っぱい香りに包まれながら入浴した。

風呂を上がり、そのまま寝ようとした所、寝室から物音がした。

やっぱり泥棒が入っていたのか?と不安になりながら、

そっと扉を開けると、そこには一匹の黒猫が居た。

まるで元から住んでましたとでも言うように、

こちらを綺麗な碧色の目で見つめてくる。

お互いに沈黙が続いていた所、

猫が痺れを切らしたように、またベットで寝だした。

今気付いたが、ベットには無数の肉球の跡がついていた。

嗚呼、今日の夜は寂しくなさそうだな。

12/18/2023, 4:23:27 PM

─冬は一緒に─

ふと見えた窓際の雪。

もうそんな時期か、と溜め息が漏れた。

雪の降る冬は嫌いだ。

寒いし、尚且つ良いことが全くない。

雪かきもしないといけないし、

車が雪に埋もれるし、

特に朝起きるのが辛い。

ただでさえ朝が弱いというのに。

…そういえば、今日はすんなり起きれた気がする。

確か、夢を見ていた。昔の、まだ楽しかった頃の記憶。

手を擦り寄せながら「寒いね」って、

「今年も、冬は一緒に過ごそうね」って笑った君。

付け加えて、「もちろん、来年もね」と言った君。

その頃はこれからも一緒だと思ってたんだけどな。

来年も、一緒に雪を見れると思ってたんだけどな。


君と、幸せで居られるって、信じてたんだけどな。

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