─とりとめもない話─
貴方と話すことなんて、
どうでもいいことばっかり。
全部とりとめもない話だよ。
貴方と会うたび作り笑いして、
貴方と会うたび無理に話し合わせて。
もううんざりって思ってるの。
…多分、思ってる筈。
貴方と会うたび、
無理しなくていいって思ったり、
自分に正直になって本心で笑ったり。
私の唯一の居場所だった。
貴方を傷つけてることは分かってる。
そもそもそれが目的だし。
だから早く、私を嫌いになって。
もう顔も見たくないってくらいに。
─何でもないフリ─
「大丈夫」って嘘ついて、
本当は無理してる癖に。
「怖くない」って嘘ついて、
本当は自分が一番怖い癖に。
「なんでもないよ」って嘘ついて、
本当は作り笑いに疲れてる癖に。
何でもないフリってそんなに楽しい?
辛くないフリってそんなに簡単?
自分のことはどうでもいいの?
…自問自答しても意味ないか。
全て私がしたことだもの。
誰にも解決出来やしない。
自分を変えられるのは、自分だけ。
─ありがとう、ごめんね─
貴方は言った、『ありがとう』と。
私は言った、『ごめんね』と。
この2つの言葉は、
使い過ぎる程、本来の意味が薄れる。
たとえ本心で言ったとしても。
周りからは『思ってない』と決めつけられ、
自分の言ってる意味が分からなくなる。
それを痛感している貴方だから、
私の気持ちを分かってくれる。
それを痛感している私だから、
貴方の気持ちが分かってしまう。
だから今、こんな言葉が出てくるの。
分かってくれて『ありがとう』って。
今まで気づけなくて『ごめんね』って。
これは決して嘘じゃない。
この2つの言葉は、私達の本心だから。
─逆さま─
私を置いて行く夏。大合唱する蝉の声。
空に比べて濃い海。風で揺れる向日葵。
眩しく感じる太陽。大きく白い積乱雲。
そして目の前で明るく照らされる踏切。
黒と黄、そして今明るく光始めた赤色。
蝉の声も太陽の暑さも、どうでもいい。
これで私の最後の夏は、終わり。
綺麗な夏に、さよならを。
─夢と現実─
子供の頃は「夢を見ろ」って言われてさ、
高校生ぐらいになったら「現実を見ろ」って怒鳴られる。
大人になった頃には夢は捨てちゃって、
考えてもなかった職に就いた。
自分の意思を貫いて、夢を叶えた人なんてあまり居ない。
分かっていても夢を大事にしたいのは、
人間の性なのかもね。