─永遠に─
彼女がふと溢した言葉に、僕は耳を疑った。
その言葉とは『永遠に眠っていたい』だった。
なんで僕が驚いたのか。
それは彼女の性格にあった。
彼女はいつも明るく、楽しそうだった。
友達も多く、勉強もできる。
スポーツは少し苦手だが、
そのかわりにピアノがとても上手だった。
親も優しく、僕からは幸せそうに見えた。
羨ましくて、憎くなるほど。
そのな彼女が、僕と一緒に帰りたいと言った。
その時に、言った言葉が、
『永遠に眠っていたい』だった。
僕はその言葉に、何も返せなかった。
その後、彼女は自殺した。
海に落ちて、眠るようになくなった。
あの時僕は、何と返すのが正しかったのだろう。
答えは今も、分からないまま。
─もう一つの物語─
私は昔から二つの記憶があった。
その二つは、正反対のような記憶だった。
今の記憶は、とても幸せだ。
愛されて、楽しくて、幸せで。
不満の感じることがない生活を送っている。
でも、もう一つの記憶。
それがとても悲惨だった。
同級生には虐められ、親には無視され、
恋人には裏切られ、挙句の果てには川へ落ちて自殺。
本当に最悪で、辛くて、苦しい生活。
それを知っていて、私は今の記憶でよかったと思っている。
もし、幸せな記憶を持ったまま、最悪な人生を迎えたら。
想像するだけで、苦しくて辛くなった。
だからもう、忘れよう。前の記憶は忘れ、今の幸せに身を預け。
もう一つの物語を今の私で楽しもう。
もう辛くない。前のように、失敗はしない。
─行かないで─
君の背中が遠くなる。
その背中に対してかける言葉は、いくら考えても思い付かなかった。
「さよなら」や「またいつか」は違う。
「行ってらっしゃい」もきっと違う。
そんなことを考えていたら、君はもう見えなくなりそうだった。
嗚呼、何故私からは全て離れて行くのだろう。
君だって、離そうとしなくても、手をすり抜けて離れて行く。
もう、そんな思いはしたくない。
考えている内に、私は走り出していた。
君の背中に抱き付いて。
「行かないで…。」と言った。
その声は思ったよりも小さく、掠れていた。
子供のように、駄々をこねて。何回も同じ言葉を繰り返す。
分かっている。この言葉が君を苦しめることは。
でも、今は。今だけは、許してほしい。
人生を賭けても大切にしたい存在を、そう簡単に離したくないから。
それほど君が、大切で、大好きで、愛おしいから。
今回は戦争をテーマに書いてみました。
大好きな人が死ぬかもしれない、それが怖いのは人間誰しもでしょう。
愛しているから、大好きだから、その分苦しい。
貴方はそんな状況、耐えられますか?
─すれ違い─
俺たち、何処ですれ違ったのかな。
え?最初から?はは、そうかもな。
まぁ、これでも笑い会って、慰め会って、
ここまで関係をズリズリと引き摺ってたからな。
すれ違いが起きてもおかしくないか。
…ん?どした?
金木犀…。確かに、いい匂いするな。
確か前の秋も、一緒に見てたっけ。
あ、やっぱり?そうだよな。
たのしかったなぁ…。
…え、マジで言ってる?
今年も、俺と行ってくれるのか?
…はは、俺って本当に、幸せだな。
じゃあまた明日。約束、忘れんなよ。
─忘れたくても忘れられない─
君のことは大切だった。
今は違う、自分でさえそうだと思っていた。
なのに、今でも大切にしていた。
胸がいたくなるけど、
また君と会いたくなるけど、
最初貰ったラブレターを、今も大事に保存してある。
『好きです。』から始まったその手紙を、
僕は忘れられないでいる。
忘れたくても、忘れられない。
否、違うな。
愛していたから、忘れたくない。
これが僕の、恋愛だった。
すみません投稿サボってました。
最近、忙しい日々が続いてまして…。
これからは出来るだけ書きます。
あと名前を変えさせてもらいました!
新しい名前は、『春野 海月。(はるの くらげ)』です。
この新しい名前で、これからも宜しくお願い致します。
以上、作者より。