人さがし

Open App

─永遠に─

彼女がふと溢した言葉に、僕は耳を疑った。

その言葉とは『永遠に眠っていたい』だった。

なんで僕が驚いたのか。

それは彼女の性格にあった。

彼女はいつも明るく、楽しそうだった。

友達も多く、勉強もできる。

スポーツは少し苦手だが、

そのかわりにピアノがとても上手だった。

親も優しく、僕からは幸せそうに見えた。

羨ましくて、憎くなるほど。

そのな彼女が、僕と一緒に帰りたいと言った。

その時に、言った言葉が、

『永遠に眠っていたい』だった。

僕はその言葉に、何も返せなかった。

その後、彼女は自殺した。

海に落ちて、眠るようになくなった。

あの時僕は、何と返すのが正しかったのだろう。

答えは今も、分からないまま。

11/1/2023, 10:30:30 PM