─梅雨─
梅雨が好き。
私の心を表しているように思えるから。
梅雨が好き。
涙や鳴き声を搔き消してくれるから。
梅雨が好き。
君が好きと言ったから。
すみません、眠いので手抜きです。
作者より
「今日は天気がいいね。お散歩日和だ。」
『そうだね。とても暖かい。』
車椅子に乗っている君。
それを押している僕。
治る確率がとても低い病気の中、
君は余命宣告をされた。残り1ヶ月。
そんな君は、悲しんだり、泣いたりせず、
ただ『最後まで光に包まれていたい。』
そう願った。
僕はそんな君を放っておけなかった。
だから今日も、暖かい光の中で散歩している。
本当はこんな天気の話をしたい訳じゃない。
僕が本当に言いたいのは、
「助かるように祈ろうよ」と、
「低い確率でも信じようよ」と、
ただそう言いたいだけなんだ。
そんな簡単なことが言えないのは、
きっと君が『光に包まれていたい』と願った時から、
もう君の中に光がないことがわかってしまったからかもしれない。
もし『助かる』と言う光を見せて、
助からなかったら僕は君を殺したも同然だ。
そんな君に恨まれるようなことを、裏切るようなことをしたくないから。
ただ、必死に走る私。
何かから逃げるように。
それは黒く大きく、低い唸り声をあげている、
とても怖いもの。
逃げたいのに、息をするのも辛くて、
苦しくて、足が震える。
一生懸命走っているのに、少ししか進めない。
それでも頑張り、物陰にかくれた。
これは夢だ。だから目を閉じれば終わる。
...本当に?
目を閉じても聞こえる唸り声。とても怖い、低い声。
おさまらない私の呼吸音。心臓の鼓動が聞こえる程。
段々と近付いてくる足音。まるで何かを探すように。
あれ?走ってるとき、此処に物陰なんてあったっけ?
そう言えば、さっきの足音は?
何で唸り声が後ろから聞こえるの?
...嗚呼、そっか。
これは夢じゃないのか。
─「ごめんね」─
私の口癖は「ごめんね」だった。
周りからは『言い過ぎ』なんて言われてしまう程、
私はごめんと言っていたらしい。
でもそんなに言っている自覚はなかった。
むしろ謝り足りないぐらいだと思っている。
何故なら、ある言葉が足枷になっているから。
『謝るのは、許してもらうためではない。自分が悪いと思ったから謝るのだ。』
と言う言葉だ。この言葉を聞いた時、私の心に何か違和感を感じた。
「悪いと思ってるのに、みんなに謝ってない。」
小さい頃の私はそう考えていまい、口癖がごめんになってしまった。
まぁ、それ以外の理由もあると思うが。
この口癖は、完全に消えることはないのだろう。
此処までの話が、私の口癖がごめんになった理由。
ただのつまらない、私の人生の一部。
これは私の実話です。
私もこの口癖直したいんですけどねぇ...。
以上、作者より
─半袖─
たしか、今年で一番暑い日だったかな。
君は半袖の服を着て、縁側でスイカを食べていたよね。
私も暑そうな君の隣で、スイカを食べていた。
その後公園に行って、一緒に帰って、
私が見えなくなるまで笑って手を振っていた。
それが昨日の記憶。
そして今日。君が死んだ。
病気だったんだって。
何で私に言わなかったの?
そんなに信用なかった?
もう半袖で笑う君は見れないの?
私の頭は疑問でいっぱいになった。
昨日まであんなに元気で、明るく、
楽しそうに笑っていたじゃないか。
...私と遊んだせい?
私と遊んだから病気が悪化したの?
そもそも私が病気に気がつかなかったせい?
どちらにせよ君は戻ってこないのに。
私に笑ってくれる君は、もう居ないのに。
人は皆、平等です。
死ぬのも生きるのも、決められないんです。
もしかしたら、家族が明日死ぬかも。
もしかしたら、私が明日死ぬかも。
だから周りの人を大切に、そしてあなたも大切にされてください。
以上、作者より。