─天国と地獄─
みんなは『紙一重』って言葉、知ってる?
紙一枚の厚さほどの、わずかな隔たりのことなんだけどさ。
紙一重ってのは、身近に潜んでるものなんだよね。
例えば、自分の知らない罪とか。
他の人がやったことを、
誰か一人が自分のせいだと言い張れば、自分のせいになる。
他にも、いじめの境目とか。
ちょっとした悪戯が、いじめと言われればいじめになる。
それほど世間は情報が全てになっている。
では、それがもし天国と地獄でも言えることだとしたら?
天国と地獄については、仮説など噂程度なものしかない。
だからもし、『天国は最悪だ』と言う噂が世間に出回ったら?
みんなの印象がガラッと変わってしまう。
それほど天国と地獄は紙一重な状況にある。
噂が出回ったら、諦めるかその原因を潰すしか手段はない。
みんなも、自分の印象を変えたくないなら、
噂をたてられないように気をつけてね。
─月に願いを─
何故人は皆、流れ星に願いを込めるのだろう。
見れるのは珍しいから?
綺麗だから?
一瞬しか流れないから?
私は流れ星より、月に願いを込める方が良いと思う。
何故なら、それぞれ形が違って見えたり、
色が違うときもあるから。
その倍率はとても低いこともある。
200年に一度しか見られないものもあるくらいだ。
だから、そんな珍しい月が出ることを祈って、
今日も願いを唱えよう。
そしたらいつか、叶うから。
─いつまでも降り止まない、雨─
雨が降った。
それはとても冷たく、
私を悲しい感情に引き込んだ。
あなたは晴れが好きだったよね。
暖かくて、気持ち良いから。
なのに今は雨が降ってる。
いっそのこと雨が降る前に戻りたい。
あなたが私に『別れたい』と言う前に。
あなたのたったそれだけの言葉で、
こんなに傷つくなんて、思いもしなかった。
いつか、この悲しみも忘れて、笑えるのかな。
いや、あなたが全てだった私が立ち直るなんて出来やしない。
この悲しさは、虚しさは、ずっと消えない。
いつまでも降り止まない、涙と言う雨になって
私の頬に降り続けるのだろう。
─あの頃の不安だった私へ─
過去の私は、何に不安を覚えていたのだろう。
人間関係?仕事?自分の将来?恋愛?
今では何が不安だったか覚えていない。
でも覚えていないと同時に、不安なこともない。
何故なら私の周りには、心強い仲間が居るから。
もし裏切られるようなことがあっても、
今の私は乗り越えられる。きっと。
だからあの頃の不安だった私へ。
今は幸せだから、心配せず、まっすぐ進んで。
それが私の人生の、正しい道だから。
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ありがとうございます!
以上、作者より
─逃れられない呪縛─
『終わりにしようか。』
飛び降りたはずだった。
何で生きてるんだろう。
目を開ければ白い天井。
馴染みのある薬品の箱。
身体中に巻かれた包帯。
この景色を見るのは、これで何回目だろうか。
何回も飛び降りて、僕だけ生き残る。
毎回、一緒に飛び降りたはずの人だけ亡くなる。
最近の夢では、「一緒にって言ったのに。」「嘘つき。」
そんな言葉を言われた。
きっと僕は、亡くなった人達に恨まれてるのだろう。
この恨みの足枷は、死ぬまで外れることはなく、
まるで逃れられない呪縛のようについてくるだろう。
僕だけ生きてごめんなさい。次で終わりにするから。
そう僕の本心を話した看護師と僕は今、屋上に居る。
『次こそ失敗しないから。』