愛と平和
当たり前に語られること。
その在り方は人それぞれ。いろんな形がある。
誰かの愛は、誰かの依存。
誰かの平和は、だれかの不公平。
対義語は何だっていい。
形が変わっていくそれを「愛」と「平和」だって、本人が言うならそれで良い。
完全なものなんて、この世界には無いでしょう?
ただ、気を付けて。受けとり方は人それぞれ。
それを語る時、誰かにとっての「愛」は「嫉妬」を呼び起こすかもしれない。誰かの語った「平和」は、やがて誰かの「憎悪」に変わるかもしれない。
人の心の中なんて、見えないのだから。
「当たり前」を語るなら、向かい合ったその人の「当たり前」に耳を傾けて、心に寄り添い、よく考えて、絶妙なタイミングで相槌を打つんだ。
それが、君と僕との間にある「愛と平和」の作り方。
どんな形になるだろうか。楽しみだね。
過ぎ去った日々
帰ってこない昨日。
戻ることのできない今日。
今、あなたが読んでいるこの文字も、もう過去のもの。
今この時、あなたは何を考え、生きていますか?
今この時、僕は現実から目を背けて、文字の世界に逃げてきて、ここに居る。
過去に戻りたいとは想わない。
僕はマイナスな想い出が心と頭から出ていかない。
良かったこともあったはずなのに。
マイナスが心と頭を支配する僕の人生は、「フツウの人」よりも困難なものになった。
「フツウ」が何なのかも僕には分からない。分かりたくもない、と言ってもいいかな。
だから、過去を想いかえすことはあまりしたくない。
心から「楽しい」と過ごした日々は、どこへ行ってしまったのかな。
僕が「誰か」と出会ったことで、僕は「僕」を見失ってしまった。
「僕」と「誰か」は別々なのに、僕は「僕の世界」に「誰か」を入れてしまうんだ。
僕は「僕の世界」にひとりだけ居ればいい。
「誰かに似た僕」は必要ない。
「誰かのための僕」もいらない。
僕にはひとりになる時間が必要だ。
過去ではなく今を。今ではなく未来を。
その先の自分を想像して、今を生きる。
「ひとり」で生きていくには、今よりもたくさん辛い想いをするかもしれない。
やってやろうじゃない?
僕が「僕」であるために。
「バイバイ」
ニッと歯を見せて、手を振って。
僕は二度と、振り返らないと決めた。
お金より大事なもの
心
絆
あの日。
僕は手に握りしめた糸を手繰り寄せて、大事に大事に、手渡した。
「幸せになってね」「いつまでも愛しているよ」
そんな温かな言葉を紡ぐように、糸は柔らかく風になびいていた。
あくる日。
僕はその糸の先に何があったのか、分からなくなった。見つめても見つめても、糸の続く先は濃い霧のようなもので覆われているだけ。
僕の心を映すように、糸はゆらゆらと揺れていた。
ある晴れた日。
僕は霧がなくなったその先に、何があるのかを見た。
あの遠い日、僕の全てだったそれは、握りしめた糸の先でハサミを持って笑っていた。
擦り切れそうな糸は、寂しそうにキシキシと音を立てている。
ああ、そうか。そうだったのか。
僕はその糸を握りしめるのをやめた。
そうだ、もう片方の手はどうしていたっけ…?
そこには、途切れた糸から、何色でもない水滴がぽたぽたと垂れていた。
ああ、そうだね。そうしよう。
僕は遠くの空を見た。
「もうすぐ雨になりそうだ」
そう、呟いて、僕は曇り空へ向かって歩み始めた。
欲望
欲がないと言えば嘘になる。
人間としての欲望が消えてしまった僕には、あまり縁のないことだ。
願望ならある。
こうなりたい。ああしたい。あれやりたい。
これがいい。
願望が欲なのかと言えばそうなのかもしれない。
人間の3大欲求とはかけ離れたそれは、今の僕の原動力だ。でもそれが心地良くて。
大事なものを見失いそうなほど、魅力的で。
そのキラキラした世界に足を踏み入れたいと願うんだ。
足を踏み入れれば、この閉塞的なまいにちが変わりそうな気がして。はやる気持ちを抑えきれない。
早く、早く。
早く春が来るといい。
自由への扉の鍵が開く、暖かな光。
もう少し、僕を待っていてね。