考える葦になりたい鳥

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1/31/2023, 12:29:09 PM

旅路の果てに

重い荷物をおろして、扉を閉めて宙を見上げた。このまま旅に出ようかと、口元は歪んだような笑みを浮かべていた。

風は冷たいはずなのに、真っ暗な世界は不思議と温かい。

僕の背中には、まだ荷物の重さがこびり付いていて、離れない。「君には責任があるんだ」と、そいつは肩を叩いて足枷を付けた。



分かっている。

旅路の果てに在るのは、自由への代償。
罪悪感と自己嫌悪と墮落の日々。

僕は、温かな皮を被った「まいにち」を捨てられない。



閉めた扉をもう一度開けて、重い荷物を運ぶことした。

誰も気が付かず、運ぼうともしない。
僕の想いも、ついでに詰め込んで。


1/30/2023, 12:21:56 PM

あなたに届けたい

冷たく澄んだ風の中の朝陽の匂い
少し焦げたような太陽の光
寂しい顔をした茜色の空と雲模様
宝石みたいなオリオン座

僕の全ては、あなたには届かない。

僕は僕で。あなたはあなただから。



「パパとママは心だけ隠して産んでくれた」
「神様は心を深くに作った」
って、優しい声の誰かさんが歌ってたでしょ?



そうしないと、僕は僕で居られない。
そうしないと、あなたはあなたで居られない。



僕があなたで、あなたが僕なら、恋も愛も…くだらない笑い話だってできないじゃない?
全てが同じなんて、つまらない。

宇宙から見た一生なんて、一瞬なんだから。
どうせ一瞬。生きるなら、面白くないとね。


1/30/2023, 2:20:33 AM

I LOVE...

最後に観たドラマの主題歌だったかな。

あんなに一途に人を想えたら、想い合えたら、幸せなのかな。そのドラマの続編みたいなものは、忙しくなって観られなくなってしまった。

僕の全てはあの頃からあの子に捧げてしまったから。

髭男さんは後でゆっくり聴きたいなと想っている。マツコさんの番組でお話しているのを聴いて、より一層、そう想った。

I LOVE...
続く言葉を素直に言えたら…、なんて。

「愛」が何なのかも定まらない僕には、まだまだ出来そうもない。


1/28/2023, 2:51:52 PM

街へ

体調は万全とは言えない。
寝惚けた頭でどの服にしようか、考える。


迷路みたいな地下をたくさん歩くようだから、スニーカーだな。ヒールを履きたいところだけど、また今度。

前はフェミニンな感じだったから、今度はクールな感じにしよう。タイトなジーンズ、ざっくりニットに長めのシャツを合わせよう。ニット帽を被りたい…けど、子供っぽいか。やめておこう。


小さい鞄に色々と詰め込んで、忘れ物がないか確認。

鏡の前で最終チェック。
「まぁいいや」がお決まりの台詞。

ちょっと砂埃で汚れたスニーカーで地面を鳴らして、走り出す。電車は待ってくれない。


クールに決めそこねた僕を君は「かっこいいね」と言ってくれるだろうか?

君と一緒に歌ったあの曲を聴きながら、流れる風景をぼんやりと眺める。

ドアが開く度、見知らぬ人が忙しなく、でも慣れた様子で座る場所を探す。新参者の僕は、不安と期待、緊張に目を瞑り、騒がしくなっていくゆりかごに揺られて進む。

あと、もう少しだ。



君の待つ街へ。


1/27/2023, 2:07:48 PM

優しさ

今までで1番難しいお題かもしれない。

よく人から「優しいね」と言われるし、人に優しくする以外の選択肢のようなものが、自分にはない。

「厳しさの中の優しさ」と言われるものは、出来ないし、そうされても気が付けない。
自分にとって「厳しさ」は叱責でしかない。だから、人に厳しく接する事はできない。

人を傷付けたくない。
人から傷付けられたくない。

人間が苦手で、少し怖い。



優しさは、僕を守るためのスキルなのかもしれない。

「あなたに優しくしますから、僕にも優しくしてくださいね?」両手を挙げたポーズをすることで、弱い自分を守っている。

だから「優しいね」と言われると、否定したくなる。
「本当は優しくなんてない、ただの弱虫です。」って。

でも言えなくて、「そんなことないよ」と愛想笑いしてしまう。



ほらね?また、僕は僕を守ってる。

僕は、ただの弱虫だよ。


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