共にいる日々が
続くほどに増えてゆく
贈りあった想いたち
この時計は
珍しく暖かかったあの冬の
クリスマスに贈ったもの
少し軽装で、
きらびやかな街を
二人歩いたこと、
今でも覚えている
あんなにイルミネーションが
綺麗だと思ったのは初めてだった
あなたが贈ってくれた
美しい黄金のような香水
華やかで、しっとり甘くて
少しムスクが香るのが好きだった
つけて歩くたびに
あの夜を思い出すの
何回目の再会記念日
記憶を纏うから、
贈り物って美しいのね
記憶を纏うから、
贈り物って醜くなるのね
「あなたへの贈り物」
コンパスと地図さえあればどこにでも
行けると思っていたあの夏
「羅針盤」
砕かれた鏡面に映る
無数の記憶
散らばって鋭利に光る
触れれば痛む天の川
顔を上げると
君がいて
振り返れば
君がいた
仮面を剥がしても
その下には仮面がある
手のひらに掬っては
零れ落ちる大海
合わせ鏡のように
無限を思わせる君
僕はそんな君の
ただひとりの君を
探す旅をしている
「ただひとりの君へ」
愛おしい灯を 包み込むように
「掌を合わせる」
暖めるように 息を吹き込む
「願いを込めて」
掌をそっと開く 外が良く見えるように
「道を示す」
頬を寄せて 囁こう
「高潔で」
「美しい」
「最愛の」
「あなた」
私の世界 私の宇宙
「ゆく時が来た」
私の運命 私の心
「大丈夫」
くちづけて 見送る
「必ず」
世界の羊水 無限の時間の中で
「私達は」
『再びめぐり逢うだろう』
「手のひらの宇宙」
桃色の衣が良く似合う君
おちゃめで、悪戯好きで、人が好き
そしてなりよりも、あいらしい
みんなそんな君のことが
大好きだった
僕たちの世界は、
君の足跡でいっぱいだ
触れるたびに、
君の後ろ姿が
うれしそうに笑う姿が
揺れる薄布越しに見えるようだ
最後の夜
妖精のようにうつくしい君が
「花嫁衣裳」の純白に包まれて
花と散った夜
今でも、風に吹かれる薄桃色を見ると思い出す
君の理由はあの夜に教えてもらったけれど
君の心は最後までわからなかった
いつか僕たちは君の遺志を乗せて
終点へとたどり着くだろう
その時までに、どうか
君の願いが成就しますように
僕たちの宿願が果たせますように
「風のいたずら」