よしだ

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1/22/2025, 6:20:27 PM

共にいる日々が
続くほどに増えてゆく
贈りあった想いたち

この時計は
珍しく暖かかったあの冬の
クリスマスに贈ったもの

少し軽装で、
きらびやかな街を
二人歩いたこと、
今でも覚えている

あんなにイルミネーションが
綺麗だと思ったのは初めてだった

あなたが贈ってくれた
美しい黄金のような香水
華やかで、しっとり甘くて
少しムスクが香るのが好きだった

つけて歩くたびに
あの夜を思い出すの
何回目の再会記念日

記憶を纏うから、
贈り物って美しいのね
記憶を纏うから、
贈り物って醜くなるのね

「あなたへの贈り物」

1/21/2025, 2:45:04 PM

コンパスと地図さえあればどこにでも
行けると思っていたあの夏

「羅針盤」

1/19/2025, 1:30:38 PM

砕かれた鏡面に映る
無数の記憶

散らばって鋭利に光る
触れれば痛む天の川

顔を上げると
君がいて
振り返れば
君がいた

仮面を剥がしても
その下には仮面がある

手のひらに掬っては
零れ落ちる大海

合わせ鏡のように
無限を思わせる君

僕はそんな君の
ただひとりの君を
探す旅をしている

「ただひとりの君へ」

1/18/2025, 4:18:18 PM

愛おしい灯を 包み込むように
「掌を合わせる」

暖めるように 息を吹き込む
「願いを込めて」

掌をそっと開く 外が良く見えるように
「道を示す」

頬を寄せて 囁こう
「高潔で」
「美しい」
「最愛の」
「あなた」

私の世界 私の宇宙
「ゆく時が来た」

私の運命 私の心
「大丈夫」

くちづけて 見送る
「必ず」

世界の羊水 無限の時間の中で
「私達は」

『再びめぐり逢うだろう』



「手のひらの宇宙」

1/17/2025, 7:03:48 PM

桃色の衣が良く似合う君
おちゃめで、悪戯好きで、人が好き
そしてなりよりも、あいらしい

みんなそんな君のことが
大好きだった

僕たちの世界は、
君の足跡でいっぱいだ
触れるたびに、
君の後ろ姿が
うれしそうに笑う姿が
揺れる薄布越しに見えるようだ

最後の夜
妖精のようにうつくしい君が
「花嫁衣裳」の純白に包まれて
花と散った夜

今でも、風に吹かれる薄桃色を見ると思い出す
君の理由はあの夜に教えてもらったけれど
君の心は最後までわからなかった

いつか僕たちは君の遺志を乗せて
終点へとたどり着くだろう
その時までに、どうか
君の願いが成就しますように
僕たちの宿願が果たせますように

「風のいたずら」

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