美しい嘘があるならば
そこに少しだけ、悪というスパイスがあるだろう。
完全なる優しい嘘は存在しない。
優しい嘘ほど美しい嘘はない。
他者を傷つけるのが怖くてついた優しい嘘は
自分を守るためのナイフを隠し持っているから。
遅めの青春だから、初めての彼氏だった。
だからこそ、君を深く愛し過ぎてしまった。
だからこそ、余計に君を傷つけたしまうこともあった
謝りたい、まだ「好きだよ」って言いたい。
でも、これで最後にするね。
「私に恋を教えてくれた君に、幸あれ」
もし君が孤独の風にさらされているなら、
僕が君を甘い羽衣でそっと包み込んであげる。
孤独の風は冷たく、苦く、鋭いから、
甘い羽衣で暖かく、甘く、ほんわかと守るよ。
君には見えなくても、羽衣は孤独をさえぎってくれる
彼の9回目のため息と共にタバコの煙が空に溶ける
「私たち、別れよう?」
そう言うと彼は言葉の代わりにため息をつく
別れたくないのか
それとも振られる事にプライドが傷ついたのか
彼はため息を言葉代わりに使う。
そして、10回目のため息のあと彼はこう言った。
「君は俺に何度もため息をつかせるくらい、
俺にはもったいない女だったよ。
もう少しだけ待ってくれたら…」
彼は言葉に詰まったあと、かすかに聞こえる声で
「シンデレラになれたのに」
と空に言葉を溶かして、私を置いて駅へ向かった。
誰だって『全ての世界』を肉眼で見ることは難しい。
人生の中でどんな道をたどるかは
目の前に来ないと分からないものだ。
『自分はあの大学に入学し、趣味を学ぶ』
そんな夢の世界に入れるのは一握りの砂。
でも、進むべき道はいつか変わる。
「できると思っていたことが実は実力不足」
逆に「できないと確信してたのに実は得意」
そんな風に道は変わっていく。
君が『まだ知らない世界』は、運命の世界だろう。
なぜなら、『まだ』という未然形の言葉があるから。
恐れを知らない野生のライオンのように
大きな試練に立ち向かう様は
『まだ知らない世界』を自分のものとして観れる事。