彼の9回目のため息と共にタバコの煙が空に溶ける
「私たち、別れよう?」
そう言うと彼は言葉の代わりにため息をつく
別れたくないのか
それとも振られる事にプライドが傷ついたのか
彼はため息を言葉代わりに使う。
そして、10回目のため息のあと彼はこう言った。
「君は俺に何度もため息をつかせるくらい、
俺にはもったいない女だったよ。
もう少しだけ待ってくれたら…」
彼は言葉に詰まったあと、かすかに聞こえる声で
「シンデレラになれたのに」
と空に言葉を溶かして、私を置いて駅へ向かった。
5/21/2025, 7:38:45 AM