ネジが外れたウサギ

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2/21/2025, 5:43:20 AM

「あの人、カッコいいよね」

そんな友達の一言は氷柱のように私の心に刺さった。

私が片思いをしている「あの人」。

そんなこと言えなくて

つい、「そうだね」だけ言う。

ひそかな思いは墓場まで持っていくしかない。

2/20/2025, 5:27:58 AM

暗闇の中で私は孤独だ。

目の前に、ぼんやりと懐中電灯の灯りが何かを描く。

何か大きな漠然とした人の輪郭のようなもの。

手を伸ばしても、伸ばしても、届かない。

その輪郭は立ち止まることなく前に進む。

「あなたは何者?

 もし姿を見せてくれるなら、

 人でも動物でも構わないから私の話を聞いて」

そう叫んだ時。

その輪郭は、その姿は明らかになって振り向いた。

あっ!と思ったら、私はベッドから落ちていた。

ただの夢だったようだ。

そう信じたい、正夢にならぬことを。


2/19/2025, 5:17:56 AM

今はSNSなどで誰でも気軽にどこでも言葉を送れる、

そんな時代になった。

でも、私は特定の「誰か」ではなく、

「宛先のない誰か」に自分の遺書を届けたかった。

家族はもちろん、友達でもSNSのフォロワーでさえ

この遺書を送りたくなかった。

恥ずかしいのではない。ただ、知られたくなかった。


ボトルメールという、瓶に入れた手紙を海に流して

私は海ではなく、廃墟のビルの屋上で身を投げた。

打ちどころが悪く、私の命は夜の空に舞い上がった。


遺書の行方はどうなったのだろう。

遠く、知らない街に、知らない人に届いただろうか。

もし、遺書を読んでくれた人がいたら

私はきっと、その人の守護霊になるだろう。

なぜなら、あの瓶には私の願いを込めた遺書と共に

私のお守りのエメラルドが入っているから。

石言葉を調べて生前まで大切にしていたお守り。


「宛先のない誰か」というのは、

悲哀に満ちて海に来たかもしれぬ誰かのつもりだった

これから自分は死ぬのに、他の誰かには生きてほしい

そんなの傲慢だと思ってるけど。


「私がつかんだかすかな『希望』を

 あなたは『幸福』に変えてほしい」

2/18/2025, 6:32:27 AM

「交通事故に遭ってPTSDを患ったあの子は

外に出歩くこともままならず、引きこもりになった」


とその子とも仲がいい共通の友達から聞いた。

事故の原因は加害者の会社員による飲酒運転だった。

被害に遭ったその同級生は自転車に乗って下校中で

横断歩道を渡る時、

信号は青なのに右折した車が止まらず、衝突した。


被害者は、

ヘルメットをかぶっていたため頭は守られたが

ぶつかった時に強打した左足を骨折したそうだ。

加害者の車は、

フロントバンパーが大きくへこみ、

加害者自身は、

軽い打撲を負っただけらしい。

のちに加害者は、過失運転致死傷罪で逮捕された。


事故を受けてPTSDを患って、

毎日怯えて生活しているその子は

時々、かんしゃくを起こしてまともに話せないらしく

友達が心配して家を訪れても親に門前払いされている


五年後。

あの交通事故に対する記憶が薄れていく頃。

被害者である同級生の子は先天的な絵の才能を活かし

新進気鋭の漫画家として、ひそかに活躍していた。

その子は音楽が好きでガールズバンドの漫画で

一躍有名になった。

彼女の今の姿を見たことがある友達は、

明るくなって笑顔がとても輝いていたと言っている。

2/17/2025, 5:31:26 AM

気になる人と趣味の話をしてる今。

心が弾み過ぎて失敗するんじゃないかって不安になる

はしゃぎ過ぎて足を踏み外しそうになったとき、

我に戻れるように彼に引かれないように時よ止まって

今しかないこのときだからこそ、大切に扱いたいの

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