休む、という行為に少なからず罪悪感を覚える。
しかしまあ、兎にも角にも行きたくないのだから仕方がない。
ブルーライトに目を細めながら休むと友人に伝える。
すぐに軽快な音を鳴らして帰ってきた返事を既読をつけないように長押しで確認してみる。
その内容一つ一つに苛立って仕方がない。
なんで休むの?しょうもない理由だったら怒るよ。
なんでもいいだろ。なんで理由一つ一つを他人のお前に規制されなければならない。
明日は来てよ?
だからどうしてこいつは私の行動を一々支配しようとするのだ。
私はお前のものではないし、私の自由はお前にどうこうできるものでは無いし、そこまで入り込んでくることを許した覚えはない。
あぁ、頭の、前頭葉のあたりが痛みだす。
休むことを知らせたことを後悔しつつ、ブルーライトを消して、毛布に潜り込む。
そうして目を瞑れば、心地の良い微睡みが次第にやってくる。
それに身を任せてゆらゆらと揺蕩う水面のごとく意識を沈めていく。
それがどんなに幸せで、気持ちがいいか、知らないんだろうな、あの馬鹿は。
上を見始めたらキリがなくて、下を見始めれば終わりが近くなるから、ただ前を向いていることにするよ。
気が付いたんだ。
君は少し臆病な普通の女の子だって。
神童なんて程遠い、普通の女の子。
そんな普通の君が神様の名を背負う必要なんて無かったんだよ。それでも、僕たちが君を作ってしまったから、君はずっと演技をしてくれてた。
もう大丈夫だよ。
怖かったね。寂しかったね。もう大丈夫。
そばにいるよ。
冷たい風が頬を撫でる。
ついでに、とでも言いたげに指先を痛めつける。
それに苛立っては、どうしようもない倦怠感が心の底に溜まる。
重みを増した不安やら不満やら、どす黒い何かはゆっくりゆっくり、酷くライトに私を刺す。
だから冬は嫌いだ。
とは言えど、よくよく考えれば夏も春も秋も別に好きじゃない。
それでも貴方の隣にいれば少しは好きになれる予感がして。
他者から見ても自分から見ても終わってる私が、君の隣にいれば少しはマシになる気がして。
そうやって引っ付いてみたけれど、やっぱり君のきらきらに私が霞んで何も見えなくなるから、結局1人でいいやなんて離れては、孤独に耐えきれなくなってまた溺れてる。
ばかみたい。
頭の中に重たい石があるみたい。
どこかでずっと焦ってるのに、焦れば焦るほど石の重さが増して動けなくなる。
石を持たずにどこへでも歩いて行ける人を見ると羨ましくてたまらないのに、妬ましい思いがそれを追い越して手を伸ばせない。
手を伸ばして、一緒に連れてって、って言えたら楽なのに。
自分の醜い部分がそれを許してくれない。
人に「それ」まで見せてしまえたら楽なのに、無駄に高くなったプライドが肺を潰して、声帯の振動を止めてしまう。
そうやってどろどろした黒いものに覆われて、最後は誰も私に気付かなくなる。
蝋燭の日がろうを溶かすように、希死念慮が私を溶かしてる。
あぁ、おわりにしたいなぁ。
何を見る。何処で見る。何処まで走る。
決まっている。
朝を通り越して、君の笑顔が見れるまで。それを求めて走るのだ。
きっとそれが、メロスになる方法なのだろうな。