春夏冬

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4/30/2023, 6:32:14 AM

遠い空の向こう あいの風が吹き抜ける
溢れんばかりの水は やがて種を芽吹かせ
照りつける太陽の下 大輪の花を咲かすだろう

赤き情熱 静かなる青
弾ける黄 ぬくもりの橙
尊い紫 ゆめを描く白

目に映るすべてが大切な輝きを放ち
おなじものはひとつもないと歌う

献げる花束に愛を
太陽よりもおおきく あたたかな温度で

4/29/2023, 8:29:20 AM

暗転 背筋から這い上がる愉悦

締めつけるような渇きが溢れて
蜂蜜のようにとろり甘く
琥珀色に吸い込まれるように

反転 白紙の上の物語は空虚

影よりなお仄暗い歓びに満ちて
蜘蛛の糸の如き救いは刹那
ふつり解けて空に立ち昇る

地を飛ぶように空を這いずり
唾棄した踏み台に足をかけて

4/28/2023, 7:52:29 AM

祝福のゆりかごが揺れる
穏やかな海を超えたその先で
はじまりを告げる鐘が鳴る

宙に浮く足はふらり彷徨って
迷路をくぐり抜けた向こうがわ
やがてやわらかな土を踏みしめる

最果ての門が開かれる
海を越え 山を越え 遠く とおく
おわりの鐘の音を聴きながら

航海を終えた老者はねむる
いずれ生まれる新緑(いのち)を言祝ぐために

4/27/2023, 6:27:24 AM

ガラクタのような世界を睥睨し
くだらない理想に唾を吐く
誰かの罪を裁くように わたしの罪もまた等しく
正義の名の下に討ち滅ぼされるのか

天秤の上の欲と正義は揺れ動き
やがて 飽くなき欲の前に正義は燃え落ちる
それはきっと 罰という名の香辛料

呪いを吐いてはナイフを突き立てて
いつかは枯れる花を愛でてなお
仮面の下の焔は燃え盛る

罪なき楽園の扉は固く閉ざされて
原罪の前に 誰もが膝をつく
地獄の釜の中 咎人は踊り狂うのだ

4/25/2023, 10:42:31 AM

その瞳に宇宙(そら)を閉じ込めて
世界に溢れる星は雨になる

退屈な日常は秒針を眠らせて
ひとりきりの世界(いえ)で
ふるり そっと寝息をたてる

ささやかや棘が胸を刺す夜
上弦の月がやわらかく包んで
まるで深海の底でたゆたうように

はるか遠くの ほほえむ陽だまり
窓から見えるいつかの空(あお)が
流星になって会いに行く

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